プリティが多すぎる

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年1月24日発売)
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本棚登録 : 968
感想 : 185

この一冊を読むと、女の子がもっと好きになれる気がします。

女の子雑誌「ピピン」に配属された新米編集者・新見佳孝。いやいやながらも仕事を続けていたが、周囲の編集者やカメラマン、モデルの少女たちと共に奮闘するうちに、自分に足りない部分を見つけ出して行く――。

とにかく、モデルの女の子たちがかわいくて、健気で、明るくて、たくましい。ローティーン向けの冊子なので中学生から高校一年生までという少女たちです。彼女たちがでてきた瞬間、どろどろの喧嘩に発展するかなーと想像していましたが、そんな予想をはるかに越えて、彼女たちはプロでした。
周囲の空気を盛り上げ、他のモデルと仲良く、そして苦しくてもモデルとして素敵な表情をつくりあげてみせる。子供と呼ばれる年齢でありながら、思い通りにならない人気や仕事への感情をぐっと押しこめて笑うのです。こんな姿を見せられて、彼女たちのどこを嫌えというのか(反語)。

どんな仕事にも、そこに全力を注ぎこむ大人たちがいます。主人公が最初、馬鹿らしいと一笑に付したピピンの編集部にも。
本気で取り組まないと見えてこないものがある。彼が最後に語った言葉が、じわりと胸に広がりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 単行本
感想投稿日 : 2012年2月28日
読了日 : 2012年2月28日
本棚登録日 : 2012年2月28日

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