つぎはぎ仏教入門 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 90
レビュー : 8
著者 :
kakapo1233さん 人文科学(心理学・哲学・思想)   読み終わった 

・仏教が、小乗と大乗に分裂したのも、密教が生まれたのも、仏教が存続しなければならない、という宿命の中で起こったことだと思いました。原典にこだわるよりも、どう解釈すれば役立つのか、それが一番大事。

 著者の呉智英さんは《仏教の専門家ではない私が書いたものであるからには「つぎはぎ仏教」にならざるをえない。》と仰っていますが、釈尊が開いた仏教の教えや歴史は、どんなに立派な研究者が可能な限り体系的に書こうとしたとしても、少ながらず「つぎはぎ仏教」にならざるをえないわけです。

 むしろ私は、この本が、仏教を他の宗教と比較したり、他の研究者が参照していない資料から得た情報を提示したり、著者が自分の信念を述べることで、実に面白い読み物になっていることに魅力を感じます。

 仏教が、小乗と大乗に分裂したのも、密教が生まれて変遷したのも、仏教そのものが存続しなければならない、という宿命の中で起こったことだと思いました。原典にこだわるよりも、どう解釈すれば役立つのか、それが一番大事。

 釈尊が覚ったこと、龍樹がまとめたこと、どのように伝えたとしても、完璧に伝えることは無理ですし、解釈もまちまちになってしまいますよね。でも、その中から、資本主義の成長志向とは馴染まない、仏教の中枢を抽出して、帳尻を合わせてゆくことが、生きてゆくということなのかもしれない、と思い始めているのです。

レビュー投稿日
2020年4月29日
読了日
2019年4月28日
本棚登録日
2020年4月29日
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