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交易する人間(ホモ・コムニカンス) 贈与と交換の人間学 (講談社学術文庫)
- 今村仁司
- 講談社 / 2016年5月11日発売
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我々はまいにち忙しく動き回ってあたかも何かを「生産」しているかのようなつもりになっているが、それは全くの勘違いであるし、「生産」したものをあたかも当然自分自分に属すべきものとして独占的に所有してしまうことに正当性はないのだ,,,ということをずっと考えてきた。この行き過ぎた所有観念が蔓延することによって現代社会は極めて生きづらくなってきているのだと思う。このような考えをサポートするような本を常日頃探している。
この本もあるいはそんなことに関連するのではないかと直感したので買って読んでみることにした。この本には主に「贈与」について書かれた部分が多くを占めている。マルセル
・モースの「贈与論」を土台にしたもののようだ。(いずれこちらの方も読んでみたい。)贈与は交換の一形態として片付けられがちだが、贈与をその場限りで完結してしまう交換とは性格を異にした、もっと根源的な行為として捉え直すとどうなるだろう。マルクスとはまた違った地平が開けてくるに違いない。
今回、つつーっと読んだだけなので、また日を置いて読み直してみることにするとしよう。
2016年5月23日
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ヨーロッパ覇権史 (ちくま新書)
- 玉木俊明
- 筑摩書房 / 2015年10月5日発売
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「覇権史」という表現から何か政治的なものの歴史かと思ったが、中身は経済史。大きくみれば西洋が今世界の「覇権」を握っている印象を与えるのはやはり1500年以降の大航海に始まるんだろうな。それまでは東に対して弱小なグループでしかなかったのだろう。まあでも、近世に入って以降の増長ぶりはやはり西洋独特の性格がモロに出ているようだ。あの強烈な利己主義の源は何なのか。
2016年6月3日
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「覇権史」という表現から何か政治的なものの歴史かと思ったが、中身は経済史。大きくみれば西洋が今世界の「覇権」を握っている印象を与えるのはやはり1500年以降の大航海に始まるんだろうな。それまでは東に対して弱小なグループでしかなかったのだろう。まあでも、近世に入って以降の増長ぶりはやはり西洋独特の性格がモロに出ているようだ。あの強烈な利己主義の源は何なのか。
再読了日:2016年6月3日
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ルパン傑作集 続813 (II) (新潮文庫)
- モーリス・ルブラン
- 新潮社 / 1959年9月14日発売
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久しぶりに再度読み返した。読み進めると同時に、ルパンに対しては「こいつ実に嫌な奴だな」という感情が徐々に強くなり、終いには「こいつどうしようもないワルじゃん」と確信するに至る。
当時の歴史背景や政治情勢がもっと語られていればもう少し読むのに面白くもあったろうが、そういうとこはことごとくスルーで、恋愛、活劇、権力、名誉、物欲金銭欲をめぐってお話は展開されていく。言ってみればルパンというのは当時のフランスの大衆の属性そのものの具現化だと言っていいのではないかな。
自分の両の手で絞め殺すまで真犯人が誰だか気づかなかったっていうのは推理小説としてはスンゴク型破りとは言えるな。しかしこれじゃ洞察力も観察眼もゼロだよ。
結末が虚無感一色で終わるという点にこの作品の一筋縄では行かなさが表れているとも思った。後味の悪いような不思議な読後感を生む。ただ、最後の最後でまたぞろワルの芽がムクムクと...。ということでやっぱりルパンは懲りてないのでした。
2016年5月10日
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久しぶりに再度読み返した。読み進めると同時に、ルパンに対しては「こいつ実に嫌な奴だな」という感情が徐々に強くなり、終いには「こいつどうしようもないワルじゃん」と確信するに至る。
当時の歴史背景や政治情勢がもっと語られていればもう少し読むのに面白くもあったろうが、そういうとこはことごとくスルーで、恋愛、活劇、権力、名誉、物欲金銭欲をめぐってお話は展開されていく。言ってみればルパンというのは当時のフランスの大衆の属性そのものの具現化だと言っていいのではないかな。
自分の両の手で絞め殺すまで真犯人が誰だか気づかなかったっていうのは推理小説としてはスンゴク型破りとは言えるな。しかしこれじゃ洞察力も観察眼もゼロだよ。
結末が虚無感一色で終わるという点にこの作品の一筋縄では行かなさが表れているとも思った。後味の悪いような不思議な読後感を生む。ただ、最後の最後でまたぞろワルの芽がムクムクと...。ということでやっぱりルパンは懲りてないのでした。再読了日:2016年5月10日
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世界の歴史 (12) (河出文庫)
- 会田雄次
- 河出書房新社 / 1989年1月1日発売
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それにしても何で宗教改革はあんなに大成功だったのか?旧教の腐敗がそれほどひどかったのか?新教の教義がそれほど素晴らしかったのか?いや違うな。対立することそれ自体が必要とされていたように思える。プロテスタントの倫理感が資本主義の精神にマッチしたなどということは、別に必然的なことではなくてたまたまだったような気がする。
2016年5月22日
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それにしても何で宗教改革はあんなに大成功だったのか?旧教の腐敗がそれほどひどかったのか?新教の教義がそれほど素晴らしかったのか?いや違うな。対立することそれ自体が必要とされていたように思える。プロテスタントの倫理感が資本主義の精神にマッチしたなどということは、別に必然的なことではなくてたまたまだったように気がする。
再読了日:2016年5月22日
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非ユークリッド幾何の世界 新装版 (ブルーバックス)
- 寺阪英孝
- 講談社 / 2014年8月21日発売
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放送大学で今非ユークリッド幾何学の講義をとっているのでいずれ是非読みたいです。
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エントロピーをめぐる冒険 初心者のための統計熱力学 (ブルーバックス)
- 鈴木炎
- 講談社 / 2014年12月19日発売
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エントロピーについてはみんな口を揃えてよくわからんという。確かにつかみどころがないよなあ。どこをとっかかりにすれば良いのか...
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これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義
- ウォルター・ルーウィン
- 文藝春秋 / 2012年10月15日発売
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本の内容は期待していたものと全く違っていた。いわゆる「魅力に富んだ」物理学の授業とはどんなものかに触れたくて本を手にした。しかし本の内容は授業そのものとはあんまり関係なく、何かの補足説明のように連続して記述されているものだった。
ネットで検索すればルーウィン教授の魅力ある授業をたくさん見つけることができる。たぶん、こういったメディアで好評だったためそれに乗っかって出された本のような気がする。それにしても「これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学『感動』講義」なんて全く適当でないタイトルだ。ちなみに原題は"For the Love of Physics"だ。原題の方がまだ内容をよく表していると思うが。
2016年4月25日
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高校生が感動した物理の授業 (PHP新書)
- 為近和彦
- PHP研究所 / 2014年8月14日発売
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高校時代この手の知識をまったく入れていなかった痛手は大きい。何度か読み返すべし。
2016年3月27日
「社会学」と名のつく本はどれも、社会をなんとなく撫でまわしているだけのような印象を受ける。はっきり言ってそれは私には面白いものではないし、腑にも落ちない。にもかかわらず世の中に「社会学」がこれほど横行しているのは何故なのか。
社会学の捕らえどころのなさの訳は、その自由度の多さによるのではないか。社会を解明する前提として、束縛するものがあまりにもなさすぎて何とでも記述できてしまう。普遍性というものがまるでない。にもかかわらず、社会自体からの要請によって社会学は何となく続いているという構図ではないのかな。
2016年4月23日
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星籠の海 (下) (講談社文庫)
- 島田荘司
- 講談社 / 2016年3月15日発売
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残念ながらオチがショボい。何故に新興宗教潰しに御手洗個人が躍起になってるのか不明。個人的趣味で公的組織を図々しく顎で使うインテリ気取りのヤナやつ。怒るでホンマ。
2016年4月18日
真田丸最終回の日に読了した。群像が面白い。
2016年12月18日
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社会学講義 人と社会の学 (中公新書 1242)
- 富永健一
- 中央公論社 / 1995年1月1日発売
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まるで電話帳を読み進めているかのような無味乾燥感を抱いた。今日の多くの社会学がごく当たり前の議論の積み重ねで構成されていて魅力に欠ける御用学問になってしまっているのではないだろうか。それはそれで世の中に必要とされているものなのかもしれないが。
とはいえ、もう一度くらい読み返すともう少しためになると思う。
2016年5月1日
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星籠の海 (上) (講談社文庫)
- 島田荘司
- 講談社 / 2016年3月15日発売
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このシリーズについては私の中ではどういう訳か、御手洗潔は宗教学者の島田裕巳が謎の事件に立ち向かっている絵図が毎度心に現れている。私が島田裕巳にマイナスのイメージを持っているのでは決してないが、御手洗潔はどちらかというと退屈で地味な印象を待っているのだと思う。映画やドラマでは玉木宏がこれをやってるらしい。思いもよらなかった。
どの小説も名探偵のキャクターは何であんなにポーズをとりたがるのか、多分、そういうことに、自分のどこかで反発を抱いていたのに違いない。そんなにたちどころに真相がわかってしまう人間が、果たして読者にとってそんなに魅力的な存在なのか否か。お話の中で、僕はもう分かっちゃったもんね、ということをほのめかしつつ、真相の開示をいかにも持ったいぶっちゃうようなのに出会うといい加減イライラするものだ。
でもまあ島田荘司の小説の特色は、とびきりの透徹した論理を持ってしても絶対に割り切れることがない世界を提示して見せるところにもある。それはもはやミステリー小説ではない要素だとは思うが、たまにそういうものを読みたくなる。
2016年4月12日
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エントロピーからはじめる熱力学 (放送大学教材)
- 安池智一
- 放送大学教育振興会 / 2016年3月20日発売
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私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)
- 内田樹
- 文藝春秋 / 2006年7月20日発売
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要するに雑談。ここから有益な知識なり考えを抽出するのは難しい。
2016年4月18日
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哲学の歴史 中世 (第3巻)
- 中川純男
- 中央公論新社 / 2008年1月25日発売
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こういう本は一回通して読んだところで理解できるものじゃない。基礎知識、関連知識が必要だし、何より読み手の心をタイムトリップさせて当時のマインドモードに近づかないとなかなか心に残るものが得られないという気がした。まあ、アリストテレスあたりから始めるべきか。
2016年4月13日
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魔女とルパン 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-14)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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もう50年くらい前に読んだのでお話の内容は覚えていない。地図上の都市の配置が星座になっていたりする設定は新鮮でとてもワクワクした。「魔女」とルパンとの駆け引きは今にして思えば大人の恋物語であったのかも。
懐かしくなったので、電子版で50年ぶりに読んでみた。今読むと何と他愛ない話なのか。謎とかミステリーとか言ったものは自分の視界ギリギリのところにあって、それが容易に解明もできず、かといって完全に自分と無縁とも言えずといった中途半端な状態に置かれていなければ成立しないもんなんだなあと思う。言ってみれば、お話は100%わかっちゃうとかえってつまらなくなるということ。
2016年6月22日
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消えた宝冠 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-13)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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これ全く記憶に残ってない。多分少し退屈だったんじゃないかな。
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虎の牙 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-12)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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これ、子供心にも怖かったんだよね。とにかく得体の知れない悪魔を相手にしているという緊張感。謎。そしてお決まりの奇抜な仕掛け。それが今読んでもそのワクワク感は再現しないんだよね、もう。
2016年4月12日
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三十棺桶島 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-11)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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これ、棺桶という言葉がとても恐くてね。あと、ドルイド教がアンダーグラウンドな宗教として登場したりして、心に残っている。
2016年4月12日
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七つの秘密 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-10)
- 南洋一郎
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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タイトルは凄そうだが、今にして、中身が何だったかとんと覚えていない。少年の琴線にはさして触れなかった模様。
2016年4月12日
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怪盗対名探偵 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-9)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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題名の通りホームズが出てくるんだろうな。いや、一度は読んでるんだがさっぱり思い出せん。
2016年4月12日
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緑の目の少女 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-8)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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美しい少女。エメラルド色の湖。そして奇抜にして大仕掛けな展開。割と好きな作品だった。
2016年4月12日
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怪奇な家 怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック る1-7)
- モーリス・ルブラン
- ポプラ社 / 2015年1月2日発売
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タイトルは平凡だったがお話はそれなりに面白かったと思う。しかし落ちはなーんだやっぱり、という記憶あり。
2016年4月12日