新しい名字 ナポリの物語 2

  • 早川書房 (2018年6月1日発売)
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感想 : 8
5

状況や心象説明がきめ細かい文章は、大抵が説明過剰で退屈なもの。でも、そうではない文章もあるのだなと驚かされた。
描写のどれひとつとして無駄なものはなく、丁寧な説明ゆえに状況が活き活きと目に浮かんだ。
ページ数が多い上にイタリア人の名前は覚え辛いので、気長に丁寧に、何度も名前を確認しながら読んだ。お陰で、夢中で読んだにも関わらず、読み終わるのに何日もかかったが、苦にならないくらい面白かった。
激しい登場人物たちの価値観や考え方は、自分の身の回りとは遠いけれど、追い込まれた人間の持つ生々しさや、人間の正直な感情を見せつけられているよう。
一方で、理性を保てる環境にみを置けることにありがたさも感じた。
続きを早々に読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年1月3日
読了日 : 2021年1月3日
本棚登録日 : 2020年3月21日

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