水滸伝 11 天地の章 (集英社文庫 き 3-54)

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レビュー : 87
著者 :
kamabokoさん 一般小説   読み終わった 

呼延灼戦の敗北が梁山泊に残した爪痕と、兼ねてから勃発していた晁蓋と宋江の意見の食い違いに焦点があてられた巻。

冒頭の方は、呼延灼戦で負傷した者、友であり兄弟であり仲間を失った者たちが、死とは、生き残った自分(負傷した自分)とは、ということについて悩んだり落ち込んだりしている姿が痛々しくも、梁山泊のメンバー同士が一人一人をよく見ていて支えあっているな、と思いました。
そこから樊瑞なんかは、致死軍という自分の新しい道を見つけていたりもして、多くの仲間が死んでしまったという現実を、それぞれが受け止めて乗り越えて進んでいくんだな、と、読んでいるこちらも、メンバーの死を悲しんでいるだけではダメなんだなと逆に力づけられました。
(私は特に施恩が死んでしまって打ち拉がれていたので)

後半にいくにつれて、晁蓋と宋江が考えるこれからの道について、それぞれの想いが描かれていました。
二人の描く未来は同じなのに、その過程が食い違ってしまうのは、お互いに辛いことだと感じていて、そこに頭領であるという重圧のようなものが更にのかってきている二人は、本当に苦しいところにいるなあと思いました。思わず、こちらが二人のためになんかいい案はないかと考えてしまうくらいです。
本人達がやきもきしている分、下もやきもきしてしまうから、早くお互い譲歩しなよ!と言いたくもなりますが……。
それにしても、今まで私はあまり晁蓋にぐっときてなかったのですが、この巻であまりにも晁蓋という人物がキラキラと描かれているというか、誰から見ても爽やかでかっこよいと思われているので、私もだんだん彼に惹かれてしまいました。びっくり。

ところで、今回も秦明と公淑の話にはほっこりしました。
楊令も着実に大きくなっているようで、成長が楽しみです。

そして、晁蓋が死んでしまった梁山泊はこれからどうなってしまうのか。続きがかなり気になるところです。

レビュー投稿日
2013年5月19日
読了日
2013年5月17日
本棚登録日
2013年5月17日
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