カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)

3.26
  • (36)
  • (77)
  • (245)
  • (27)
  • (10)
本棚登録 : 983
レビュー : 107
著者 :
kamikami3594さん 新書   読み終わった 

 現代社会が、歴史性や本質的理由を欠いた突発的な「祝祭」によって動いているのではないかと指摘する本。

 「祝祭」の例は2002年のワールドカップの熱狂的盛り上がりや、2ちゃんねるでしばしば発生する、ある出来事が槍玉に挙げられ、そのスレッドに書き込みが急増する現象=「祭り」といったものである。

 その背景には、若者が雇用の流動化や教育カリキュラムの度重なる変更により十分なスキルや経験を積めず、フリーターや派遣社員にならざるを得ない雇用情勢や、「監視社会」が構築されつつあるいう要因がある

 また、著者は因果関係が曖昧なのにもかかわらず「携帯電話を持っている若者の方が非行に走りやすい」という「ケータイ・バッシング」が蔓延していることが指摘する。それには、人々が子どもの「非行」や「逸脱」の情報のインパクトの強さに引かれ、結果が無批判に受け入れられていることと関係があると思った。

 その例が、本書に挙げられている「ケータイ・バッシング」、「ゲーム脳」の他「少年犯罪が増加、凶悪化している」とか「フリーターやニートは甘えているだけだ」といった言説なのだと私は思った。

 以上のような現象が起こっている背景にあるのが、最終的に目指すべき目標や理念=大きな物語が失われつつあることだ。章同士の繋がりが弱く、抽象性が高めだったのもあるが、全体的に読みにくいという印象を受けた。

レビュー投稿日
2011年6月18日
読了日
-
本棚登録日
2011年6月18日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書...』のレビューをもっとみる

『カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)』にkamikami3594さんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする