しゃばけ

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本棚登録 : 2497
レビュー : 403
著者 :
東野みずほさん 小説   読み終わった 

 江戸時代の通町(江戸・日本橋の近く)、体の弱い若だんなと彼をとりまく妖(あやかし)たちの物語。
 病がちで友人は、近所の菓子屋の後つぎだけという若だんな・一太郎。育ての親というか、(実の親は健在)間近でいっしょに過ごしている手代二人は、妖、しかも、どうも身分の高い妖らしい。と、いうのは、妖が見える一太郎の周りには、小妖怪がちょろちょろするのだけれど、彼らはみんな手代二人に一目置いている様子。
 そんな一太郎が、禁じられている夜歩きをして帰り道に人殺しに出くわしたところから話ははじまります。

 シリーズものなのかな、一連におもしろそうなタイトルの本を出しているな~、と気になっていたら、今年は賞をとってしまった。そこで、というわけではないけれど、たぶんこれが1冊目?というのを読んでみました。
 江戸時代の風俗や、豪商の若だんなを含めた人々の言葉づかいなどがゆったりしていて、全体に余裕を感じます。江戸時代を舞台とした小説は、けっこう読んでいるけれど、ここまでみんな若だんな風に「~だよ」「~ねえ」とかって話す人がたくさん出てくる本は初めてです。最初は、手代までそんな風に話すので違和感を感じたのですが、豪商となると、手代も余裕があるのかなぁ。それとも妖だから、なんだか感覚が違うのかなぁなどと考えました。
 話におもしろみを加えているのが、その妖のずれっぷり。若だんなが大切で、とにかく彼を守ろうとする手代二人。二人とも、妖が人間に化けて手代として働いていて、その働きぶりも立派なのですが、端々で、人間の感覚とのずれがでてきて、苦笑するやら危ういやら。若だんなといっしょに「あれあれ」という気分になります。

 のんびりとした雰囲気はありますが、ことは人殺しが関わってくるので、状況は緊迫していきます。そのなかで、“箱入り息子”として育った一太郎が出す決断がみごとです。 シリーズものだとしたら、この一太郎のその後が読めるのでしょうか。同じ作者の別の本も読んでみたいと思います。

レビュー投稿日
2012年5月10日
読了日
2007年8月6日
本棚登録日
2012年5月10日
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