エッセイにはだいぶ以前のものも含まれているので「今とは状況が違う」と時折驚かされた。
北村さんの小説「スキップ」でも幾つかエピソードになっていたが、我々の生活の色々なことが変わっていくものである。
北村さんの書評関連の文章はどの本も魅力的に感じられる。
自分が読んだ本があれば頷き、読んだことのない本には、どんなに面白い本なんだろうか?とおいしそうな料理の写真を見せられた気分だ。
お子様とのエピソードも飼い猫についての文章も、お父様の学生時代への想いも、優しく温かい。
また、151ページからの「楽しみの年輪」は、読書の楽しみ、人の想像力と解釈、意味のある学び、年を重ねるごとの楽しみと、若い人に世界を魅力的に見せる。
個人的には150ページの「島崎藤村全集 推薦の言葉」で『大谷崎や鏡花の本を開くと、どの行もどの活字ひとつも谷崎であり鏡花です。そこに喜びがあります。』と鏡花の名を見て嬉しくなった。藤村の全集のための文章ではあるのだけれど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年8月6日
- 読了日 : 2014年8月6日
- 本棚登録日 : 2014年8月6日
みんなの感想をみる