矢弾尽き天地染めて散るとても魂【たま】がへり魂がへりつゝ皇国護らむ
牛島 満
太平洋戦争末期、沖縄戦の陸軍司令官が「沖縄玉砕」を伝える打電に添えた歌である。1945年6月、自決前の辞世であった。
文字通り「矢弾」の尽きた日本は、ポツダム宣言を受諾。同年9月、重光葵外務大臣が、アメリカのミズーリ号艦上で降伏文書に調印した。
先日、大学院生とその調印式の映像を見たところ、音声状態も良く、マッカーサーがペンを2本使い分けていたなど、具体的な記録は雄弁、かつ厳粛だった。
院生に、「さて、アメリカ代表の次に調印した国はどこ?」と質問するはずが、うっかり忘れてしまい、反省している。
というのも、川島高峰の著書「流言・投書の太平洋戦争」で、日本は「どの国に負けたか?」と学生に問うたところ、アメリカという回答が最多、次にイギリスや旧ソ連であり、「中国と答える者はほとんどいない」という記述があり、いつか自分の授業でも問おうと準備していたからである。
反省しつつ、再度、調印国の順を映像で確認してみた。まずは、マッカーサー元帥。続いてアメリカ代表ニミッツ。次が、まさに中国であった。そして、イギリス、旧ソ連、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、ニュージーランドで、全9カ国。この国々が、戦勝国だったのである。
つい、「アメリカはじめ連合国」と略して説明しがちなので、今後は9カ国すべてをもらさず挙げるよう心掛けたい。明後日8日、開戦の日の存在も忘れずに。
(2015年12月6日掲載)
- 感想投稿日 : 2015年12月6日
- 読了日 : 2015年12月6日
- 本棚登録日 : 2015年12月6日
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