制服捜査 (新潮文庫)

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本棚登録 : 1230
レビュー : 136
著者 :
黒い☆安息日さん 日本小説   読み終わった 

小説でも映画でも落語でも、フィクションの手法として、ある一定のとこで話を止めて「ここから先は貴方の想像の世界です」みたいな突き放し方するのあるよね。あえて結末を言わずに余韻で深みを出すというか…。

佐々木譲の小説って、その余韻の手法を多用してると思う。中には「それは余韻じゃなく、おいてけぼり」って思えるくらいのとこで話終わらせるようなのもあるくらい。佐々木氏の得意技かつ味なんだと思う。

この短編集に収録された各作品も、余韻をしっかり味わせてくれる、作品と作品の間を急ぐと余韻を損なうので要注意!って言いたいくらいに。一つ一つの短編を読み終わるごとに「うわっ、ありゃ、んー…」などと余韻を積み重ねるのが良い。

そして、その余韻が最後の作品で、なんとも絶妙に息を吹き返して動き出すのだ。余韻があるからこその、お祭りシーン!群衆シーン!主人公たちの焦燥感…全てがリアル感じられるように思う。音や臭いや温度ですら心の中で再現される。その見事なこと。

正直、佐々木譲作品の中では注目もしてなかったし、実際後回しで読んだわけだが…なかなかどうして、これはすごいぞ。

レビュー投稿日
2017年3月1日
読了日
2017年2月28日
本棚登録日
2017年2月17日
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