ミステリーだが、犯人捜し謎解きというよりは、女警部主人公のタフネスっぷりを存分に楽しむ小説。
かつて存在した児童保護施設に勤務していた元職員が殺害された、とほぼ同時期に火災で空き地となったその施設跡の地面から白骨死体が発見される。過去の殺人事件と現在の殺人事件の両方を並行して追う主人公キムたちウェストミッドランズ警察の面々…。
ってのが、大まかな筋。この事件に関連する人物たちのイヤらしいこと暗いこと。エエもんも出てくるのだけど8割くらいの関連人物がどこか食えない。そんな連中に対して主人公キムは、直球にケンカ上等で突きかかっていく。それは彼女自身が抱えるくらい過去があるからなんだけど、それを踏まえて彼女の活躍…というか暴走っぷりを痛快と感じてしまう、そこにこの小説のだいご味がある。
何かを背負っていて、ツラくて、人目のないところでは眠れなかったり。それでもキムは猛然と捜査をこなし、トライアンフの修復に励み、手の込んだ料理に挑んでコゲを量産する。
強くあろうとする人の生きざまは、勇気を与えてくれる。
この本は、勇気を与えてくれる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2019年2月20日
- 読了日 : 2019年2月19日
- 本棚登録日 : 2019年2月14日
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