彼女に関する十二章

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本棚登録 : 484
レビュー : 82
著者 :
kaorictionさん 小説   読み終わった 

更年期世代、ミドルエイジ応援小説、って何ですかぁ〜? と思いながらも見事にハマった。

夫の仕事の参考資料である 六十年前のベストセラー作品、伊藤整『女性に関する十二章』を読み始める聖子。彼女の日々の出来事は不思議とその作品とリンクしながら進む。
「50歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかり」
息子は巣立ち、夫と二人の暮らしに戻った聖子。
どうしたって違う、これまでとこれから。

文学好きにはたまらない薀蓄もチラホラ。個人的には中原中也の詩にやられた。

夫婦の距離感、会話がリアルでほのぼのとしていていい。
息子の彼女のチカちゃんが思い描いていた女の子と違っていた時の聖子の反応も、なんだかいい。それをちゃんと認めるところも。
調整さんもいい味出しているけれど、小次郎も結構気になるキャラだ。

「女性論」というよりは「哲学」かな。
日々の悩みがうまい具合に『女性に関する十二章』とリンクする。その悩みは、聖子の、というより私そのもののものであったり、隣近所の誰かのものであったり。
うんうん 頷きながら読む自分がいた。

伊藤整『女性に関する十二章』も読んでみたくなった。六十年前のベストセラー…時代は変われど、論じていることは変わらない。


最終章「この世は生きるに値するか」に至るための十一章まででもあるのかなぁ とも思う。
半ばまで、少し金井美恵子を読んでいる感じでもあった。金井美恵子よりも毒はなく、聖子がなんだかんだで良い人なんだろうなぁ、と。
自然と人を引き寄せてしまう人。
始まりがお赤飯なら、終わりは青豆ご飯、という発想もいい。


あがっても あがらなくても。
まだまだ人生は続くのだよね。そして、案外、ここからの人生も楽しそうだな。
クドクド考えながら、あれこれ思い巡らしながら、周りの人たちも、自分の人生も、続く続く。
脳内独白バンザ〜イ!

来るべき その日に向かって。。。

レビュー投稿日
2018年1月5日
読了日
2017年11月21日
本棚登録日
2018年1月4日
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