デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ文庫 NF 407)

  • 早川書房 (2014年5月10日発売)
3.52
  • (31)
  • (96)
  • (91)
  • (28)
  • (1)
本棚登録 : 1611
感想 : 86
4

デザイン思考といえばこれ!ってくらい雑誌やネットで推されていたのでとりあえず読んでみた。

「まとめ」
基本的な考え方は観察から入り思考の発散(プロトタイプをすぐに作りつつ)、収束を繰り返すことでありいわゆるロジカルシンキングとの違いは大きく2つかなと。
①MECEによる分類分けから入るのではなく、あくまで人間の行動観察から入ること
②論理構造を全て網羅してから施策を開始するのではなく、初期段階から試作品を作り、実際の行動に合わせて修正を繰り返すこと

以上2点から、議論の中心に常に”人”の視点があることが理解でき、組織内の業務改善というより組織が社会に対して何を生み出すかというマーケティングの視点に近いものを感じた。

「感想」
・中身については、事例紹介が多く結果論だけが先行するためただ読んでいるだけでは学ぶものは少ない。「デザイン思考とは何か」という教養としはおすすめだが、逆にいえばそこに止まる本であり、当然ながらそれを自分の生活(所属する組織)にどう活かすかは自分で考える必要がある。
・何を持って説得力を持たせるかは大切だと改めて感じた。「デザイン思考」を推奨する本であれば一般的な本としての構造にとらわれず、絵やグラフを使用するなど本のデザインに気を配られていると面白かったのでは。。

「学び」
デザインについての本でありながら、社内外の自分の立ち位置について改めて考えるきっかけになった。理由は以下2点
①”イノベーションはコラボレーションである”こと。
よく言われることであるが人の生活に役立つ新たな発想は全くの無から生まれる事よりもむしろ既存の価値観の組み合わせによるものが圧倒的に多い。(というか厳密にはゼロから生まれるものなど存在しないと思っている)。仕事外も含め自分の何気ない生活の意思決定がどのような感情からきているのか敏感でいたいと思う。

②”良いデザインは良い組織で生まれる”こと。
おそらく理由は大きく2つあり1つは前述したコラボレーションの接点が多くなること、そしてもう一つがまさにデザイン思考によるものである。
つまり、いい自転車を作るには「気持ちよく自転車に乗れること」をマーケのみならず組織全体で考える必要がある。まず自らの組織を顧みることから始めるのが有益だと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月8日
読了日 : 2016年11月8日
本棚登録日 : 2016年10月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする