成功するシステム開発は裁判に学べ! ~契約・要件定義・検収・下請け・著作権・情報漏えいで失敗しないためのハンドブック
- 技術評論社 (2017年3月7日発売)
■書名
書名:成功するシステム開発は裁判に学べ! ~契約・要件定義・検収・下請け・著作権・情報漏えいで失敗しないためのハンドブック
著者:細川 義洋
■概要
難しい判例を読み解き、現場で使える実践ノウハウをやさしく解説。トラブル多発の6テーマ
をしっかり押さえ、あなたのプロジェクトを成功に導く。
(amazon.co.jpより引用)
■感想
裁判、調停の判例をもとに、プロジェクトで何が大事かを記載した一冊です。
結論としては、
・プロとして出来る事を積極的にやる事
・契約が完了するまで、作業をしないこと
・契約書をしっかり作る事
・曖昧な言葉は使わない事
・実施する事、しない事を契約時に明記する事
などなどの当たり前の事が記載されています。
ただし、この人はこの当たり前が業界特有の文化により難しい事も理解しており
正論をぶつけるだけではなく、難しい中でもこうやって言った方がいいという書き方
になっています。
正論は、正しいから正論なわけで、やっぱりこの正論を実施できる環境を整える事が
プロマネとして実施すべきことなんだろうな~と思います。
■気になった点
・合意文書に、範囲、金額、スケジュールがないなら、作業は着手すべきでない。
・採用通知=契約ではない!
・採用通知で作業に着手しないべきだが、それができないなら、傷の浅い内に逃げる
認識をお互い共有しておくことである。
・ベンダーから追加の見積もりがあった時、ユーザが明示的に断るか限度額を提示
しない限り、ユーザは支払いの義務がある。
・トップ同士の話で一夜で解決する事もある。
・契約前に作業を行うなら、ユーザはベンダに何も約束していない。という点を理解
しておくべきである。
・ベンダは素人であるユーザがプロジェクトの進行を邪魔しないよう、コントロール
する義務がある。
・プロジェクト管理費用は、全体の8-15%かかる。
・周囲からしつこいと思われても聞きまわる。それが信頼を勝ち取るコツではない
でしょうか。
・無償で作業を行う時も、無償契約をすべきです。
・支援という言葉は使わないで、具体的にやることを記載します。
・不具合の有無ではなく、不具合発生後ベンダがどのように対応したか?が判決の
ポイントとなります。
・ベンダーは何も言われなくても、これぐらいは必要だろうと思われる対策は打たない
といけないと判決されている。
・セキュリティについては、費用がかかってもベンダがユーザに提示する必要がある。
それでもユーザが拒否すれば仕方ないが、ベンダとしてユーザに提示したという事実
が大事である。
・怒鳴られても無視されてもユーザにセキュリティについては言い続けることが大事
である。
- 感想投稿日 : 2017年8月27日
- 読了日 : 2018年8月27日
- 本棚登録日 : 2017年8月27日
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