具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

著者 :
  • dZERO (2014年11月27日発売)
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■書名

書名:具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ
著者:細谷 功

■概要

永遠にかみ合わない議論、罵り合う人と人。その根底は「具体=わかりやすさ」の弊害と、
「抽象=知性」の危機がある。「具体」と「抽象」、この動物にはない人間の知性を支える
頭脳的活動を、ビジネスコンサルタント・細谷功が読み解く。さらに漫画家・一秒が、
具体的言説と抽象的言説のズレを、各テーマに沿った四コマ漫画で描く。
(amazon.co.jpより引用)

■感想

具体、抽象として新しことは書いていないですが、わかりやすく説明されていました。

普通の仕事レベルで言うと、なぜ?という言葉の問いかけと、これは何のためにやるの?
これをやる目的は何か?というのをしっかりその場で明確にしていき、それを実現していくことが
具体化、抽象化ということになります。

上流、下流レベルの仕事もその通りですね。この人は、上流の仕事には向いてないだろうな~
と感じる人は、抽象化能力が低い人なんだろうと思うし、この人どの工程でもできるな~と
感じる人は、どの工程で、どのレベルで抽象、具体が必要かを理解している人だと思います。

下流の仕事をしている人が上流の仕事をしたい場合、専門知識以外でもこういう能力が必要
というのは理解された方がいいと思います。
(上流、下流どっちがえらいわけではなく役割が違う。ただし、一般的に抽象化能力が長けている
人が評価される。)

■気になった点

・抽象化とは、枝葉を切り捨てて幹をみることです。

・抽象化は、パターンを認識する作業でもあります。

・具体か抽象かは、何を基準に話しているかに依存します。
 例えば、おにぎりという言葉も「食事」というのを主題とした場合具体的な言葉となりますが、
 「おにぎりの具」について会話しているときは、抽象的な言葉となります。

・上流の仕事は抽象レベルの仕事であり、下流の仕事は具体レベルの仕事となります。
 仕事は基本的には、抽象的なものを具体的なものにしていく作業です。

・上流の仕事は、人がかかわるほど品質は下がります。下流の仕事は、人がかかわったほうが
 品質が上がります。

・大きな方向性やビジョンを示すには、抽象化能力が必須です。

・抽象レベルはそれが固定化しやすいという特徴があるため、注意が必要です。
 抽象レベルのことが必須でないのに必須となり、目的と手段が逆転してしまうこと
 がよくあります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:ビジネス
感想投稿日 : 2019年1月20日
読了日 : 2019年1月20日
本棚登録日 : 2019年1月20日

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