何かを読みたい欲が募り、一気に読了。

バス旅行の最中に反政府ゲリラの人質になった8人が、「決して損なわれない過去」を書き起こし、朗読したテープが残っていた。それがラジオ番組で毎晩放送されたという設定で始まります。
死を感じながら思い起こす過去ってどんなものだろう…? そんな興味を持って読み進められました。

それぞれ少女時代の鉄工所の太った若者を助けた話、アルファベットのビスケットの話、特殊で幻想的な談話室の話、片方の目が見えないおじいさんの変てこりんなぬいぐるみの話、隣に住む娘さんのコンソメスープ作りの話、通勤途中に見かけた槍投げの青年の話、「死んだおばあさんに似ている」と言われつづける女性の話、死者の棺に入れるスーツを買いに来るお客さんに花束をもらった男性の話。

それぞれの話の最後に、死んだ当時の年齢と職業、バスに乗り合わせていた理由が記してあり、些細な物語が繋がっているような因果関係が感じられるものもあります。

小川洋子さんが得意とする体の一部が欠損した人間の描写は、惹かれるものがあります。

最後に、政府軍の兵士(つまり日本人ではない)の語りが入り、客観的に彼らの話を聴いた人質を「ハキリアリ」にたとえている。3人の実直な日本人研究者の思い出とともに。死に向かってゆくコツコツとした静かな時間が鮮明に浮かび上がります。

カバーの子鹿は土屋仁応(よしまさ)さんの彫刻で、仏像彫刻の技法で彫っているのだとか。。つるんとしていて、ちょっと怖い感じがします。

2019年7月24日

読書状況 読み終わった [2019年7月21日]
カテゴリ 小川洋子

図書館で前情報なしに借りました。
そしたら未来の地球の姿を描く連作短編SF物語でびっくりした。最初の話、意味がわからなくて、一作くらいこんな話もあるかな、と思ってたら、次も「母」がたくさんいたり、「私」がたくさんいたり・・・。動物から人間をつくるクローン?と訝りながら読み進めることに。
途中、鼻の位置にも目がある目が3つの生物とか、ギョギョッとするも、最後の「運命」で種明かし。

人間という生物が判断力に欠ける、柔軟性に欠ける、異質なものを排除したがる、などの特性が嫌というほど描かれて、すみませんです…、という気持ちに。

原始的な未来が頭に浮かんで、『イティハーサ』的な世界を感じました。

人工知能とかクローンの成り立ちなど頭に入ってこない部分もあるけれど、わりと好きだし、アニメーションでもいいので映像化してほしいな〜と思いました。

表紙の絵はnakabanさん。かわいい。

2019年4月11日

読書状況 読み終わった [2019年4月9日]
カテゴリ 川上弘美

30過ぎてからだろうか、江國さんの作品がますます好きになった。これもほろよいのイチゴ味を飲みながらすらすら読めました。

祖父母や両親の財産で生活している50を過ぎた男性・稔が主人公。財産管理をしているだけで仕事をしていない。独身で娘がいて、そして無類の読書好き。

彼が読んでいる本の世界も楽しめて一石二鳥のストーリーになっている。むしろそっちの話がミステリーなので、続きが気になって読み進めてしまった。これも江國さんの仕掛けかな。

稔が本の世界に入り込む様子、邪魔が入る様子、本ばかり読んでいる稔(や娘の波十)に腹を立てる元恋人の渚など、ふふふ…と楽しめた。

なにが言いたいのかと言われると困るけど、たぶん人生はこんな風に若いときと自分自身の感覚はあまり変わらないってことと、自由を生きることは孤独だし、普通を選ぶとそれはそれで不満もあるしってことだなぁと思った。

稔とその姉の雀にとってはセックスがまったく重要じゃなくて、二人が姉弟だからまだ孤独じゃなくてよかったね〜と思った。

稔と雀のなかなか暮れない、緩やかな時間が心地よかったです。

2019年2月7日

読書状況 読み終わった [2019年2月3日]
カテゴリ 江國香織

川上さんの短編、とても面白い記憶が残っているので、図書館で見つけて借りてみた。
旧『クウネル』の連載と『つるとはな』『きらら』に寄稿した短編集。
川上さんの世界の登場人物は川上さんなのであろうマイペースさだから、読んでいて心地がよくて、共感もする。読んでいると落ち着いた気持ちになる。

冒頭の一遍はホームレス男性・七生に恋する話。七生は別の話にも出てきて、浮世離れした人だった。

いくつか好きな話
『ふたりでお茶を』従姉妹で帰国子女のトーコさんとふたりで暮らす話。風変わりなトーコさんとの二人暮らしは楽しそう。
『バタフライ・エフェクト』はバタフライエフェクト自体が好きなモチーフなので。直接的には関係なくても、10年後に影響しているような、不思議な感じがいい。
『ルル秋桜』年の離れた友達っていいなって思う。わたしもちょっと風変わりな子どもの助けになれたらいいのに・・・と思った。
表題作の『ぼくの死体をよろしくたのむ』も年の離れた女性との不思議な交友。よくわからないけれど好ましいという感覚が心地いい。
『土曜日には映画をみに』オタクで吃音でブサイクな男性とお見合いして結婚する風変わりな女性の話。お似合いのふたりの生活が幸せに思う。
『スミレ』は精神年齢が外見に現れるシェアハウスのお話。突然精神年齢が老けたり、年の差恋愛になったり、不思議で切ない。
『廊下』は突然出て行ったバイオリン弾きの彼と一瞬出会える美術館の廊下のお話。異界に繋がっている廊下なのか、シーンとした空気が好きだった。

書き出したら、好きな話がたくさんあった。設定が思いつかないような、現実ではあり得ないような、でも突飛すぎもしないような、自分の好きな感じでした。

2018年11月7日

読書状況 読み終わった [2018年11月3日]
カテゴリ 川上弘美

ずいぶんと小説を読んでいなかったので、ならし的にわかりやすいエンタメ小説をと借りた伊坂さんの未読本。痛快なパターンを望んで読みはじめるも、「しまった・・・。これは暗い系のほうかも・・・」と気づく。のっけから中世の魔女狩りに模した理不尽な拷問表現にイライラ。
架空の世界ではあるけど、平和警察が取り締まりと称して、サディスティックな拷問をするわけです。ちょうど『まんぷく』の特高警察の拷問シーンにイラついたり、大阪の警察が酔っ払いを取り押さえて、パトカー内で死なせてしまった事件(動画を消去しようとしていた。その後どうなったのやら。)をやっていたりで、これは架空でもないよね〜と。
現実世界にもいる権力を笠に着る無駄に高圧的な人物が大嫌い!なので、うんざりしてしまった。
「あ〜。イライラする〜」と声に出しながら読み進めました。

正義の味方もそんなにスカッとした感じもなくて、ネタバレもちょっと簡単すぎたかなぁ。。

伊坂さんのテーマは変わらないのはわかるけど、明るいほうが向いていると思う・・・。でも人気作家だから書きたいもの、書かせてあげないとなのかな。

2018年11月4日

読書状況 読み終わった [2018年10月28日]
カテゴリ 伊坂幸太郎

第2部は「遷ろうメタファー編」ということだけど、イデアの騎士団長のようなインパクトがなく、異世界自体がメタファーのかたまりということなのかな?と思った。でも、これは〇〇のメタファーかな、と考えながら読まないので、そのへんは感覚で。なんとなく、もう1回生まれたような感じなのだろうか。

ただ、雨田具彦が戦争を背負っていることがけっこうテーマの一つのようで、それを黙して生きること、

2018年5月14日

読書状況 読み終わった [2018年5月12日]
カテゴリ 村上春樹

読み始めはウゲー長ーい!と思うのだけど、1場面1場面、短く区切られているので読み進めやすい。そうだ、そうそうこの感じ、と思い出してぐんぐん読めた。

主人公は36歳の一応肖像画の画家。離婚を言い渡されるところから新しい人生が動き出す。
とにかくいつでも雨が降っていたり、北を車で旅したり、小田原の山の中が舞台になったり、なんというか場末のサスペンスドラマ臭がして入り込みやすかった。免色さんなんてちょっと江戸川乱歩的というか。登場人物もなんだかいつもよりもわかりやすい感じ。

怖い雰囲気が漂っていたのに、騎士団長が出てきたところで爆笑。口調も含めてお茶目すぎた。笑 なぜ「あたし」。笑

しかし、突然ナチス問題が絡んできてシリアスに・・・。2部も楽しみです。

2018年5月7日

読書状況 読み終わった [2018年5月5日]
カテゴリ 村上春樹

なにか読みたくなって、今朝パラパラ〜っと読み終えた。
クラッシィの連載2年分。なんだかそぐわないけれど。

お金を崩すためにシェービングクリームを買うとか、パンツを買うのが好きとか、どうでもいい話題で何も考えずに読めるけど、
なんとなくためになるような、心地いいような気分にさせられる。
安西水丸の挿絵も大胆に使われていて、素敵な本。
タイトルもなんとなくのんびりしいていい。

2018年4月30日

読書状況 読み終わった [2018年4月30日]
カテゴリ 村上春樹

何回か読んでるけど、いつも内容をすっかり忘れてしまう。それで、短いからとタカをくくって読むと、うわわかんないってなってる。今回も、そう。飲みながら、ポテチ食べながら読んでたら、グッと入り込んでくらくらした。笑

ケネディ、4本指、ラジオ、いくつかの太字など
さまざまな「あれ?」という疑問が頭をかすめながらも
謎だらけをそのまま読み進めてもなんだか面白い。

デビュー作で原点だけど、いろいろ読んでから読むと、
大学時代の彼女の自殺や4本指のモチーフなど、
彼の中で書きたいことはそんなになくて、決まってるのかな・・・と思った。

謎を解くには日にちを推測すると良さそう。
いろんな人の考察ブログを読むのも楽しいです。

2018年4月30日

読書状況 読み終わった [2018年4月29日]
カテゴリ 村上春樹

うーん、、正直すごくかったるかった。主人公が校正者で友達が編集者で、自分の環境と近かったので最初は楽しみだったのに・・・。多分主人公が面倒臭くて苦手だったのだと思う。
この、人と交われない、アル中の、挙動不審な主人公に救われる人も今は多いのだろうか。

目指しているのが同じ系統だったら、自分の好きな作家さんを優先して読もうと思った。

評価なしで。

2017年12月5日

読書状況 読み終わった [2017年11月5日]
カテゴリ 小説

とにかく気軽に心地いい日本語が読めるのがいい。
あとがきに、エッセイを書けなくてエッセイ風に小説を書いたらすいすい書けたという短編よりも短い小噺集。短くてすいすい読めました。
川上さんみたいな女性が出てきて、本当にエッセイぽいのも面白いポイント。
楽しかったからまた読みたい。

2017年9月29日

読書状況 読み終わった [2017年9月18日]
カテゴリ 川上弘美

きょうちゃんのお気に入りの本らしく、貸してくれた。村上春樹のエッセイを読むのは『走ることについて〜〜』から2冊目。
読み始めたのは、たぶん福岡に遊びに行ったときの飛行機で、お盆くらい。見開き1ネタの軽妙エッセイに安西水丸さんの楽しい挿絵付きなので気軽に読んで、気軽にやめて、を繰り返したら読み終わった。村上春樹の似顔絵がわりかし似ててかわいい。笑 水丸さんが描いてくるイラストが楽しみで、連載も楽しかったらしい。わかる〜。

そのときのことを飾らない言葉で書いているのでとても読みやすかった。一気に読む感じではない、こういう本が手元にあると眠れないとき(あまりないけど)とかに良さそう。

千倉のお話が面白かったので、付録の安西水丸さん(千倉出身)との対談を先に読んじゃった。千倉行ってみたいなぁ。早く結婚することについての対談も楽しかった!

一人討論会をたまにやるというのが興味深かった。人間の意見や思想がどれだけその場しのぎであやふやかがわかるらしい。偏りを減らせそうだから、いいかもと思った。

2017年9月10日

読書状況 読み終わった [2017年9月10日]
カテゴリ 村上春樹

図書館で借りたものの、分厚くてなかなか読み始められなかったもの。きれいな表紙はきくちちきさんのイラストでした。

最近家族ものが多い江國香織さん。これは、虫とお話ができてちょっと発育が遅い幼稚園児の拓人が主人公です。タイトルは拓人が仲良しの虫たち。
でも、拓人の姉でしっかり者の育実視点になったり、拓人の母の奈緒視点になったり、滅多に家に帰らず愛人を優先させるテレビマンの父・耕作視点になったり、愛人の真雪視点になったり、隣人のテレビに大声で話しかける老婆視点になったり、拓人と育実のピアノの先生・千波やその母親の志乃視点になったり、霊園の孤独な男性・児島視点になったり。いろんな登場人物の生活や心情が交錯します。

子供の小さくて人間以外のものに近いシンプルな世界と、大人の俗的な世界とが対照的に描かれているようでした。

何が言いたいのかよくわからないんだけど、「ただ、いる」ということに重きを置いた作品だったのかな? 奈緒と耕作が夫婦喧嘩をしていても、拓人にとってはどうでもよくて、「ただ、いる」ということが大事と書かれていたので。そして、現在の形はどうであれ、「心でつながっている」というありふれた言葉だけど、その強さなのかなぁ。

まあ、答えはない作品かなぁと思うので、あんまり深く考えずにその様子を追いました。

最後は、大きくなっても拓人と育実は仲良しなのねと安心しました。

2017年9月10日

読書状況 読み終わった [2017年9月1日]
カテゴリ 江國香織

Twitterでフォローしていた燃え殻さんの小説。いつもつぶやきが面白くて好きだったので、きょうちゃんに借りて読んでみた。

物語はハタチ前後で付き合っていた元カノがフェイスブックに出てきて、過去を回想するところから始まる。切なさが増すに決まっている好きなスタイルです。
1章1章が短くて、タイトルもフックがあって、すいすい読めました。また、忘れられない元カノがブスなフリーターってところが女性も喜ばせるんですよね。(ミスチルのシーソーゲーム的な。)
テーマは「男はみんな元カノでできている」ってことなんだけど、だとすると女のほうが切ないんじゃないかな〜と女の私は思いました。なんか、勝手っていうか。やっぱり女性が書く恋愛小説のほうが好きなんだよなぁ・・・。

でも、これはこれで「わかるわかる」と周りの男性を思い浮かべてうなずきましたよ。だって男性ってだいたい学生時代の彼女の話好きだもんね。苦笑

最後の過去の彼女とのお別れシーンなんかは映像が浮かんできたので、「映画化かな〜」と誰もが思ったことでしょう・・・。開けたことのなかったラブホの窓を開けて、「何もなかったね」のところとか、女優&監督の力量が問われそうですね(笑)。

スーの最後の言葉「あなた」の答えも最後に明らかになりますが、若いときに『あなた』を作った小坂明子ってすごいな〜と思ってしまいました。

2017年8月24日

読書状況 読み終わった [2017年8月24日]
カテゴリ 小説

きょうちゃんの本。
旅行で時間が空いたときにと思って持っていき、帰りのスタバ〜新幹線で読みはじめた。

『サイドカーに犬』の語り手は小学生の女の子。夏休みの間にお母さんが家出をして、しばらくしてヨーコさんという女性がご飯を作ってくれたりする。厳しい母親とは対照的に、かなりワイルドなヨーコさんに魅了される薫。そして、父親の怪しい行動と仲間たち。 麦チョコやパックマンなどの昭和の描写も楽しい。国立の町の様子が浮かんできて、久しぶりに行きたくなりました。

『猛スピードで母は』は離婚した母親と二人暮らしの小学生の慎(まこと)が語り手。母親がいわゆる母親とは違って、車のタイヤを取り替えたりワイルドです。さっぱりとした感じで惹きつけられます。慎も母親のことをかっこいいと感じているんだろうなというのが伝わってきます。
何度か恋愛をしている様子の母親が、「結婚する」と言って恋人の慎一を連れてきて・・・。説明しづらいのだけど、母親との微妙な関係が楽しく読めました。

どちらも読んでとても満足感がありました。子供の頃の記憶とか、子供の感じかたとか、どんな大人に興味を持つのかとか、そういうのを思い出しました。子供の目線に立っているのが楽しかったのかな。

2017年8月17日

読書状況 読み終わった [2017年8月17日]
カテゴリ 小説

北海道の出張で取材前に時間があり、イオンの本屋で購入。久しぶりに小説買ったかも。しかも、よしもとばななを読むのも久しぶり。
なんとなく合わなくなって読まなくなってたのだけど、ツイッターで見かけていたから思いついたのかもしれない。それと帯の「失うことが切ないなんて、なんと幸せなことだろう」という文章。

あとがきから読んだら、お父さんの吉本隆明さんが亡くなり悲しみに暮れているときにイタコのように書いた作品とのこと。なるほどなぁ・・・という感じ。
主人公の幹ちゃんは赤ちゃんのときに海辺に捨てられていて、だけども拾われた先の大平家でものすごく愛されて育った女性。
のっけから彼女の生い立ちと人生を楽しく生きる方法みたいなものが書いてあって、やや説明的だなぁと思ったものの、引き込まれました。

イギリスのグラストンベリーに似ているという富士山が見える村が舞台です。丘の上には誰かの古墳があり、おとぎ話の世界のように見えない力で結界が貼られているような。祖父が営んでいたB&Bを継ぐ幹ちゃん。自由にのびのび暮らす大平家の人々。ときどき幹ちゃんが思い出す祖父の教え。

ミステリー的な要素をはらんでいたので、先が気になりすいすい読めました。さすがばななさん。

そばにある邪悪に左右されずに自分の軸を持って生きるって、一見強い意思のような気がするかもしれないけれど、そうではなくて、やわらかく優しいものなんだよなっていうのがわかります。

大事な人を亡くしたらこの本を開くかもしれません。

2017年8月1日

読書状況 読み終わった [2017年7月30日]
カテゴリ よしもとばなな

不思議なタイトルだなぁと思って、図書館で手に取った。前書きに、タイトルはヘミングウェイの作品『Men Without Women』から思いついたことが書かれている。
全体の感想は、男性も女性と同じように深く人を愛すると胸が痛むし、忘れられないし、執着するんだなというのを感じた。なんとなく、男性は違う生き物のような気がして、そのことを忘れてしまう。

『ドライブ・マイカー』妻を亡くした中年俳優と無口で若い女性運転手の話。男の妻が赤ちゃんを喪ったことで他の男性と寝るようになるという・・・。永遠に真実を聞くことのできない男が辛そうだった。

『イエスタデイ』 喫茶店のアルバイトで出会う早稲田大学の主人公と二浪中の木樽。東京育ちなのにタイガースファンが高じて関西弁の木樽が魅力的に描かれている。幼馴染の二人がちょっと『ノルウェイの森』を彷彿とさせる。

『独立機関』 複数恋愛を楽しむ独身主義者の整形外科医が、本気で人を好きになり、自分じゃなくなり、死に至る話。

『シェラザード』 組織に雇われているような謎の男と世話係の中年女との寝物語。女の現実と非現実をない混ぜにした寝物語が面白くて、主人公の男性と同様に楽しみにしてしまう。まるで恋に落ちたような。

『木野』設定としては『ドライブ・マイ・カー』と似た感じだけど、現実を直視しないことを様々な不思議因子で突きつけられる様子が楽しかった。バーは自分で作った澱のような感じだったのか。

『女のいない男たち』おそらく物語をすべて包括するようなものなんだけど、いまいち頭に入ってこなかった。。。汗 でもつまらなくはなかった。もうちょっとでわかりそうな感じ。

2017年7月2日

読書状況 読み終わった [2017年7月2日]
カテゴリ 村上春樹

想像以上に悲しい物語でした。

世界で一番小さなアーケードの大家さんの娘が語り手となり、そこに集まる一風変わったお客さんと店主の物語を綴った連作短編集。
どの短編も現実と非現実を行き交うような不思議さと死の訪れと深い愛情が混じり合って、引き込まれていました。
例えばレース屋さんに通う元衣装係、百科事典をこよなく愛するRちゃん(と紳士)、実在するかわからないうさぎのラビトの話をする夫人、ドーナツ屋の恋、紙屋とレース屋の姉弟のお話、ドアノブの向こう側の窪み、遺髪でレースを編む女などなど。思わず読みたくなるような設定のオンパレード。
徐々に語り手である「わたし」の孤独と結びつく結末に、静かな涙が流れました。

謎に満ちた酒井駒子さんの装画も雰囲気にマッチしています。

2017年6月11日

読書状況 読み終わった [2017年6月11日]
カテゴリ 小川洋子

非難轟々の不倫ものなのだけど嫌悪感なく読めた。わたしも大人になったのかな。。

夜の公園で出会った年下の暁から、後ろ姿で一目惚れされたリリ。
旦那さんを理由もなく嫌いになったり。
親友の春名が旦那さんと不倫してたり。
リリも年下の男性と恋愛して、子供ができたり。
春名は暁の兄とも恋愛したり。

すごい展開だけど、淡々としていて、心地よかった。
なんとなく、登場人物みんなが満たされず、かわいそうになり、しずしずと読みふけってしまった。

夜の公園に人生の鍵穴があるような。

2017年6月7日

読書状況 読み終わった [2017年5月30日]
カテゴリ 川上弘美

昔やっていたツイッターが面白くて、一度読んでみたかった柚木麻子さん。(辛口だったせいか、売り出される直前に削除された。残念。)

食べ物を絡めながら、ちょっとした日常ミステリー、アラサー女性4人の恋と仕事と友情を描いた連作短編。アラサー女性が好きそうなものがてんこ盛りでいささか不安もありましたが、とても読みやすくて面白かったです!
この感じ、小学生の頃に愛読していたコバルト文庫に近いです。大人版コバルト。

何も考えずにサクッと読めるので、疲れているけどちょろっとなんか読みたいな〜ってときにおすすめです。

2017年5月23日

読書状況 読み終わった [2017年5月23日]
カテゴリ 小説

久しぶりに小川洋子さんの文章が読みたくなって、サクッと読める短編集を借りました。
なんとも言えない素敵な装丁は吉田篤弘さんと吉田浩美さん。

どの話も、読んでいると静かな気持ちになり、小川洋子さんだな〜って感じの良作揃いでしたが、とりわけ「バタフライ和文タイプ事務所」が好きでした。
医大生の論文を打つタイプ事務所のお話で、その描写が作為的にエロティシズムに溢れています。活字管理人とタイピストのやりとりを、固唾を呑んで見守りました。ラストも良かったです。

2017年5月23日

読書状況 読み終わった [2017年5月16日]
カテゴリ 小川洋子

きょうちゃんに薦められて読んだ。
行定勲監督で映画化されているらしい。

京都が舞台で、大学生が友達の引っ越し祝いに行くなんでもない一日からお話はスタート。
そこに居合わせた人々のある一日を、それぞれの目線で描いた連作短編小説。
よくわからないけど、映像になったほうが良い感じのお話なのだと思った。

大学時代が遠い昔になったなぁって思った。

2017年6月7日

読書状況 読み終わった [2017年5月5日]
カテゴリ 小説
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「だれかのことを強く思ってみたかった」
タイトルに惹かれて図書館で手に取りました。
佐内正史さんが切り取る東京の写真と角田光代さんが切り取る東京の短い文章を合わせた短編集。
まるでエッセイのようでとても読みやすかったので、疲れているときにぱらぱら、起きてぱらぱら、眠る前にぱらぱら•••••。

それは、だれの心にもあるような心象風景。切ないような、誰かといても孤独なような、一人で心強いような。心地よいセンチメンタリズム。

いろいろ好きな文があるけど、『見なかった記憶』好きです。失うということが、永遠にない。確かに。

2017年3月4日

読書状況 読み終わった [2017年3月3日]
カテゴリ 小説

どこかでレビューを見かけて、読んでみたいなぁと思っていたら、前の席の宮崎さんのデスクで発見!思わず「読みたいと思ってたので借りていいですか!?」と声が出ていました。汗
ピチカートファイブの野宮真貴さんのエッセイです。

年を重ねることが楽しみになる本です。
似合うピンク、似合う赤、似合う髪型。
リアル美人じゃないなら、自分の似合うものを選んで、自分に合った雰囲気美人を目指しましょうというもので、さらさら読めました。
自分ももう少しアロマを活用したいなぁ。


少し年上の凛と生きる女性のエッセイをたまに読むのはいいかもしれない。
むしゃむしゃチョコレート食べてる場合じゃないです。><

2017年2月19日

読書状況 読み終わった [2017年2月19日]
カテゴリ エッセイ
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