購入は一年近く前。イタリア人作家の小説を読むのはこれが初めてのはず。主人公の表記が名のジョヴァンニと姓のドローゴで揺れているのは、意図的なものなのかそれともイタリア文学の潮流なのか。舞台設定も固有名詞を避けて抽象化させているし、敢えて複数表記で人としての輪郭を曖昧にしているのかもしれない。幻想文学と呼ぶにはあまりに寓話的で身につまされる内容。「ドローゴは俺だ!」と何度叫び出したくなったことか。あと表題は『砦』を当初予定していたそうだが、それだと些かカフカに寄りすぎな気もするので、現行の表題がいいと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国人作家その他
- 感想投稿日 : 2014年12月5日
- 読了日 : 2014年12月5日
- 本棚登録日 : 2014年2月1日
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