虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房 (2010年2月10日発売)
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本棚登録 : 12905
感想 : 1620
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旧版。購入は2年以上前だが、無性にフィクションが読みたくなり、当初の予定を変更して読み始めたのが数日前。いやいや、これはもっと早く読んでおくべきだった。己の見る目の無さを激しく後悔。認証によって凡てが管理され、テロの猛威が過去のものとなった代償に様々な国で内戦が頻発するディストピア的世界。大量虐殺の陰に謎の男ジョン・ポール(元ネタはジョンジー?)の姿あり。要人暗殺のため、感情を脳医学的に調整される主人公の、装飾を抑えた冷静な視点。そんな主人公が真相を知り、採った最後の選択に打ち震える。思弁小説の大傑作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2014年12月3日
読了日 : 2014年12月3日
本棚登録日 : 2012年8月25日

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