見知らぬ町ふしぎな村 (安房直子コレクション)

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本棚登録 : 94
レビュー : 14
著者 :
karicanoさん  未設定  読み終わった 

図書館で借りて一部読了。
子供の頃に読んだ「魔法にかけられた舌」という話がもう一度読んでみたくて借りてきました。
当然なのですが今読んでみるとあっさりとした感もありつつ、当時どんな部分にわくわくしたのかもはっきりと思い出しました。
急に亡くなった父のレストランを継ぐことになったものの、全く料理の素質が無い主人公。
途方に暮れていた彼の元に現れたのは長年このレストランの地下に住んでいた不思議な小人の様な存在。
父の料理を深く愛したこの小人は、主人公がその味を受け継ぐことを条件に、どんな料理も食べれば何で出来ているかをすべて見抜く魔法を彼の舌にかけてくれる。
そうして残っていた父が最後に作ったカレーを食べ、その味そのものにも、何で出来ているのかがすべて見抜けることにも感動した彼は、外へと飛び出してあらゆるレストランの味を次々盗み、料理を作ってお店を繁盛させていく。けれどその事に夢中になり過ぎて、地下に眠る父の味を覚えるという約束は忘れたままになってしまう。
そんなある日、ある客が「うちの料理はもっと美味い」と言い残して去っていき…
魔法をかけられた彼の舌が味わう、父の料理の描写が本当に美味しそうなのも素敵なのですが、謎の客を追って地下街の、これまで見たことも無い通路や店並みへと紛れ込む部分が子供の頃は本当にワクワクする部分でした。
子供の頃、地下街と言うのはすごく不思議な場所で、一本間違うとまるで違う部分に見えたり、本当に自分の知らない道が今だけ突然できてるんじゃないかと思ったり、いつか見た筈の場所が次に来た時には見当たらないことにソワソワしたり…そんな妄想にまさにフィットする冒険の部分が大好きでした。
そしてラスト、彼はギリギリで約束に間に合ったわけですが、こういう人ならざる者が人と交わした約束を延々待ち続ける…という設定にも凄く弱いです。
日本古来の妖怪や物の怪が、ほんのひと夏遊んだ子供のことを次の夏もその次の夏もずっと待つような幼気な切なさが大好きで…。そういう部分もほんのり含んでいて、本当にこの話は私の好みの数々がサンドイッチのようにとりどりに揃ったものだったんだなぁと再認識しました。
今回時間が無かったのですが、他の安房直子さんの作品もまた読んでみたいです。

レビュー投稿日
2015年5月17日
読了日
2015年5月14日
本棚登録日
2015年5月14日
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