※Twitterより転載
先日より青空文庫の「アリスは不思議の国で」を読み終わりました。強気で上品な女の子アリスが不思議の国を冒険するのですが、言葉遊びもさることながらイギリス風刺が入ってるらしく、解説を読んでぞくぞくしました。しかしやはり「アリスに送る物語」が根っこにあることは忘れてはならないのでしょう。
どうやらこの話、最初にルイス・キャロルがアリスに送る物語として書いた話(Alice's adventure underground)を、出版用に改稿したものらしく、その異同やらキャラの追加やらがアリスへの内輪向けネタから英国物ネタに置き換わってるとのことで、小さい子向けにしては拘りの作りになってるのが凄いなと。
いやはやでもこれは読みながら「原書の言葉遊びがどんな感じか気になる」と思いながら同時に訳文が「ここ、言葉遊びしてるんですよ!」と分かるように訳して来てるのが凄いなと思いました。例えば訳文で「ひらがな」と「カタカナ」って訳してたけどこれ原文だと大文字と小文字で差が付けられてるのかと感じられる箇所があって、こういう翻訳センスがアリスを訳す過程(もしくは訳すのに参考とした図書)で生まれていったのかなと思わせられた。それが翻訳文殆ど読んだことない私にも理解できるテクストだったのが大変素晴らしいと思いました。
あと私はアリスのこと、題名くらいしか知らず、映像もデデニーの映画も全く見てない状況だったんで、この訳文で初めてアリスが夢オチかつノスタルジアに浸る話だったと知ってどうにも内容は困惑しましたね。。夢について一定の理由付けがされてたのは「ほお」と思ったけど、これも不思議の国なのだなと。
いやでも、何よりもまずちゃんとアリスを読む機会が出来て良かった。普段全く海外文学を嗜まないから普通に教養として面白かったし興味深かった。海外文学を読む日本人読書クラスタはこんな文化的背景も歴史的背景も文学としての前提知識も全く異なるものに毎回向き合ってるの、凄い。もはや尊敬する。
いつか原書でも読んでみたい。
- 感想投稿日 : 2019年7月8日
- 読了日 : 2019年7月3日
- 本棚登録日 : 2019年7月8日
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