寺地はるなさんのデビュー作であるこの作品を読んでみました。「ビオレタ」とはスペイン語で「すみれ」を意味し、物語の舞台となる北村菫(すみれ)が経営するお店の名前となっています。この「ビオレタ」には、美しい棺桶が商品として売られています。棺桶??って思いますよね!実はこの棺桶は、思い出の品々をいれるもので、亡くなった人を弔うためのものではありません。
物語の主人公は、田中妙という27歳の女性…。婚約者から一方的に別れを切り出されたことがショックで、道端で泣いていた妙に声をかけたのが、「ビオレタ」の店主、北村菫でした。それが縁で、「ビオレタ」で働くようになった妙。「ビオレタ」での出会いを通して、投げやりで常に被害的だった妙の心境に変化が生じます。
心にす~っと響く言葉がありました。
『「強い」は「弱い」の対極じゃないよ。
自分の弱さから目を逸らさないのが強いってことだよ。』
このお話は、妙自身より、妙の家族や菫さんや新たな恋人である千歳さんとその息子である蓮太郎くん、「ビオレタ」のお客さんなどが、とってもいい人なんですよね!なんか、大事件が起こるとか、そういう話ではなく、ひっそりと、それでも自らの意思を持って咲き誇る「すみれ」のようなお話でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
寺地はるな
- 感想投稿日 : 2024年12月8日
- 読了日 : 2024年12月8日
- 本棚登録日 : 2024年12月8日
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コメント 4件
1Q84O1さんのコメント
2024/12/09
かなさんのコメント
2024/12/09
1Q84O1さんのコメント
2024/12/09
かなさんのコメント
2024/12/10