リプリー (角川文庫)

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感想 : 5
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読み終えたとき、トム・リプリーという人物にただただ呑まれていることに気づいた。この物語を最初から最後まですべてを仕組んでいた運命という存在に“目をつけられた”主人公は、それだけで畏怖の対象になる。
作中、主人公は常に追われている。鬱屈な日常、依頼された仕事の期限、親友になれたであろう青年の目、そしてトーマス・リプリー以外のあらゆる人間にだ。
主人公は万能な存在ではなく、しかし優秀な存在である。作中で主人公がしでかした大きな事件は破滅に突き進むばかりのものと思われ、主人公の背中を追う読者は常に後ろを気にしなければならない。
恐怖と緊張を戦い抜いたときの結末は何者にも代え難いものとなるはずだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2012年7月3日
読了日 : 2012年7月3日
本棚登録日 : 2012年7月3日

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