ローワンとゼバックの黒い影 (リンの谷のローワン 4)

  • あすなろ書房 (2002年12月1日発売)
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5

リンの谷のローワンシリーズ第四巻です。
ローワンを何度も助けてくれたストロング・ジョンと、ローワンの母ジラーが結婚することになった。
二人の結婚に大いに喜ぶリンの人たち。
とくにローワンの妹、アナドなどは、野原を駆け回って喜びはしゃいだ。
そんな幸せに満ちた晴れの日。ローワンは、ひとり不安に悩まされていた。
反対していた時期もあったが、ストロング・ジョンと母さんの結婚はとても嬉しい。
それなのに、これから何か悪いことが起こりそうな予感がする…。
リンの人々は素晴らしい日を祝福しているが、バクシャーのスターは仲間を集め、円になって不安げにしている。
妹のアナドははしゃぎまわり、大好きなバクシャーたちのもとへも喜んで駆けていった。
その時、空から見慣れない黒い影が落ちてきたと思いきや、小さなアナドを引っ張りあげ、鋭い爪でつかんで飛び去った。
宿敵ゼバックの使い魔に、アナドがさらわれてしまったのだ!

と、さっそく冒頭から引き込まれる内容でした。
アナドが! かわいいアナドが!
ローワンの絶望感がものすごくよくわかった。まさか結婚式の日に娘を敵にさらわれたジラーも、ひどく悲しんだことでしょう。
なんせ、今回表紙捲ったところの扉絵が可愛くてね。そこでふんわりしたスカートをまくりあげて飛び回ってたアナドが、怪物にさらわれるなんて。
もちろん、ローワンは旅の仲間とともにアナドを助けに向かいます。
だけど、今回の旅の仲間はちょっと珍しい面子でねー。
リンの谷の仲間はもちろんのこと、<旅の人>の娘や海辺の国マリスからも仲間がくわわり。
第一巻のようにたくましいリンの谷の人々だけでなく、また新しいこのシリーズの楽しみ方を覗けた感じ。
今回のメンバーも個性豊かで面白いです。
話の内容的には、リンの谷にローワンたちの先祖が住む前の話や、宿敵ゼバックのことなんかが明かされたりして。
面白かったです。またローワンの世界に引き込まれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外作家
感想投稿日 : 2009年4月9日
読了日 : 2009年4月9日
本棚登録日 : 2009年4月9日

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