終末のフール (集英社文庫)

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レビュー : 2069
著者 :
かたえくぼ。さん  未設定  読み終わった 

8年後に小惑星が地球に衝突し、滅亡する---

人はその事実を突き付けられた時、どう行動するだろうか?





「8年後の地球の終わり」を予告されてから5年が過ぎたころの仙台が舞台。

そのころには絶望からパニックに陥った世界も、徐々におさまって「小康状態」になっていく・・という描写が生々しくてドキドキした。





残された3年をどう生きるか。

「人生は怠惰に生きようとするには長すぎて、何かを成し遂げようとするには短すぎる」

3年という限られた時間ならなおさらだ。





自分ならどうするだろう?

まず、暴漢や盗人や狂人のあふれかえるパニックの中「その日」を迎えるまで生き延びられるのか、それすら自信がないけれど。





人間は脆い。

自棄を起こして無秩序の世界に身を落としたり、自らの命を絶つ人、精神に異常をきたしてしまう人

老後を考える必要性がなくなって、仕事を辞める人(そのため流通機関が機能しなくなり食糧難にも陥る)

一見何も変わらないように見えても、「いつ命を奪われるかわからない、緊迫感」に不安が蓄積されて時々嘔吐する人もいる





そんな中で、自分なりのぶれない軸を持っている人間の強さが眩しい。



「鋼鉄のウール」に出てくる、苗場というキックボクサーは世界の終焉を予告されても変わらず練習に打ち込む。



「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

「ぼくにできることは左フックとローキックしかないですから」

「自分に今できることをやるしかないですから」





 イマ デキルコト ヲ ヤルシカナイ・・・





終末論に限らず、生きていく上で何かに行き詰ったときのヒントがこの本にはちりばめられているような気がする。

レビュー投稿日
2015年1月19日
読了日
2009年10月26日
本棚登録日
2015年1月19日
6
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