健全な肉体に狂気は宿る: 生きづらさの正体 (角川oneテーマ21 A 41)

  • KADOKAWA (2005年8月1日発売)
3.55
  • (40)
  • (69)
  • (111)
  • (12)
  • (4)
本棚登録 : 632
感想 : 68
3

大学教授の内田樹さんと精神科医の春田武彦さんの対談集。
このお二人の本を読むのはこれが初めてになります。
武田鉄矢さんのラジオ「今朝の三枚おろし」という番組で内田さんの事を知り、興味をもって手にした一冊です。

何となく読む前にパラパラッとめくって感じてた通り、私には難しい内容でした。
・・・と言うのも、お二人の頭のレベルや精神レベルが高すぎて私にはついていけないからですが、難解というよりは深い事をさらっと言っていて、そのさらっと言う事を本当に理解するというのが時間がかかるという感じ。
でも、その難解さを置いといてもとても面白く興味深く読む事ができました。
私の印象としては、どうも世間一般で言われている事の反対の事を言っているというイメージで、それがひねくれているんでなく、ちゃんとした考えをもって納得させてくれるという感じです。
例えば結婚生活は楽しいだとか、家族の対話は少ない方がいいとか、タイトルになっている健全な肉体に狂気は宿るだとか・・・。
もちろん、中には私はそれは違うと思うという考えもありましたが、それはそれで楽しく読む事ができました。

個人的に最も記憶に残っているのは、『「賢いリスクヘッジ」の方法を講じたと思っている人は、どうやっても無意識的にリスクの多い人生を選択してしまうでしょう』という話です。
どういう事かと言うと、独身女性が将来結婚しないかもしれない、そのまま歳をとると賃貸マンションを貸してもらえない、だからマンションを35年ローンで購入するという事をすると、自分の選択が正しかったという事を自分で自分に証明しなくちゃいけないという無意識の圧力が働く。
それで、「あの時ローンを組んで良かった」という事を証明するためにその後の人生の選択をしていく、というもの。
なるほどな・・・と感心しました。

また、雑談的に話している中にも、世界の五大陸を制したハリウッド映画は過去に一つしかないとか、声は人格とリンクしているから変えられないとか、ただの読み物として面白いと思いました。
ただ、私がこの本の中から受け取れたのはほんのごく一部だとは思います^^;

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きるヒントをくれる本
感想投稿日 : 2015年5月22日
読了日 : 2015年5月22日
本棚登録日 : 2015年5月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする