多分読み返したのは10年以上ぶりの本です。
上巻を読み終えて、これだけスッポリと内容が記憶から抜けるものか!と我ながらビックリしました。
何となくうっすら覚えていた事もありますが、それは話の大筋とはほとんど関係ないエピソードでした。
でもそれも仕方ないか・・・という感じがしました。
これは中高年の恋愛小説だからです。
当時20代の私には共感できる事も少なかったのだと思うし、今読み返しても話がまだるっこしい上に、登場人物の行動がスッキリしないので読んでて疲れました。
主人公は半年前に妻を亡くした45歳の男性。
彼は仕事を辞めて、以前わだかまりをもちながら別れた恋人とよりを戻し彼女とイタリアに旅行します。
若い頃に別れた兄に会うために。
そして女性が以前旅先で出会った青年に会うために。
これを読んでふと思ったのは宮本輝さんの描く女性はふてぶてしい人が多いという事です。
人柄がいい人でもどこかふてぶてしい。
この物語のヒロインもそうです。
悪い女性ではないけど、いつも相手を責めて自分は謝らない。
確かに女性は男性に比べてそういう所があるし、それは作者の女性観なのかもしれないと思いました。
亡くなった奥さんの生命保険で、奥さんが生きていた頃不倫していた女性と外国に旅行するなんてとんでもない!と普通なりますが、何故か宮本輝さんの主人公だとそうはならない。
それは登場人物に品があるからだろうと思いました。
それにしても中高年の恋は難しい。
お互いが好きならそれでいいという訳でなし。
この二人の恋の行方はこれからどうなるのでしょう?
- 感想投稿日 : 2013年7月19日
- 読了日 : 2011年10月30日
- 本棚登録日 : 2013年7月19日
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