いつも通り、たくさんの登場人物が複雑に絡み合って登場するというパターンの本で、途中頭がこんがらがった。
でも、一気読みしたせいか、いつもよりは内容が理解できて人物相関図が頭で出来上がった。
タイトルの「祝言島」は東京の小笠原諸島にあったとされる都市伝説的な島。
その島をもとに作られたドキュメンタリー映画「祝言島」。
映画監督は嘉納明義。
それと、以前、演劇界のカリスマと言われた男性、他二人の女性が殺された事件「十二月一日連続殺人事件」。
その二つを踏まえた上で始まる本文。
登場人物は皐月、珠里、紅玉、百合という女性、そしてその周囲の人間たち。
皐月は芸大に通う女子大生。
彼女は母親と二人暮らしで、幼い頃から突然どこかにいなくなる母親に依存している、いわゆるマザコンな女性。
母親に依存している彼女は母親の言うままに芸大に入り、今回も母親に紹介されたバイトをする事に。
そしてある契約書にサインをする。
珠里はそこそこ売れている女優。
彼女にはつきあっている男性がいるが、彼は彼女に暴力をふるうし、金を無心するヒモ男。
そんな彼女に彼女の生い立ちを追うテレビ番組「ファミリー・ポートレイト」に出演する話が持ち上がる。
紅玉は珠里の友人の売れない女優。
実は彼女は3つの殺人事件どの人物とも関係があった。
彼女はある日、珠里のつき合う男と関係をもち、それをブログにさらしてしまう。
百合は紅玉の母親。
彼女は元ポルノ女優で、実は紅玉の父親は「祝言島」の監督である嘉納。
これに、サラ・ノナというオネエのスタイリスト。
イボやんという「祝言島」の映画の中で虐殺された女性。
などなど。
様々な人が登場する。
こうやって書き出していってもどうだったっけ?となるし、ストーリーの把握がとても難しい話。
どこまで書いていいんだっけ?となるし、読み終わった後、何となく分かったような分からないような、ごまかされたようが気になる。
というのはいつもこの作者の他の本を読んでも思う。
殺人事件の真相のキーワードは登場人物の瞼のあざにある。
それが「祝言島」はどんな島だったのか、という事につながるし、殺人事件の原因そのものになり、一つの真相に結びつく。
そういう事って本当にあるんだろうか?と思った。
以前見た「時計じかけのオレンジ」をふと思い出す話だった。
- 感想投稿日 : 2017年10月15日
- 読了日 : 2017年10月15日
- 本棚登録日 : 2017年10月15日
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