少女たちは夜歩く

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本棚登録 : 112
レビュー : 25
katatumuruさん 宇佐美まこと   読み終わった 

10話からなる短編集。
不思議でちょっと不気味な話が多く、読んでいてそれなりに惹きつけられる。
でも、読み終えた時に何かひとつ足りないな・・・と思う話ばかり・・・と思いきや、中盤のある話からこの短編集の話は全てつながっていたんだと分かる。
そして、つながりの先の話を読んだ時、足りないと思っていた1ピースがピッタリとはまり、きれいに完結した。
薄くて物足りないと思っていた話のどれもがそれぞれ、深みを増したように感じた。

この短編の舞台は愛媛県、松山市・・・と地元の人間なら読んでいてすぐに分かる。
松山城を舞台にしていて、その周辺の東雲神社や女子高校も周辺の様子も、ちょっと違う所もあるけど、ほぼそのまま使われていた。
そして、そこを舞台に登場するのは、
松山城へ続く森で恩師と出会い、恋に落ちる女子高生。
姑の依頼で絵の修復をする修復士の女性。
若い頃の素行により、妻、子供をなくした孤独な老人。
吃音のある子供のことを気にかける保育士の男性。
とある事から夫の浮気を知る主婦。
いなくなった飼猫を探す主婦。
知り合いの男性から一時期、赤ん坊を預かる男性。
高校の美術教師。

彼らが微妙に、共通のキーワードを介してつながっている。
そのつながりが無理がなくて絶妙だった。
人の肩の上にその人の秘密が見えるとか、絵からもうひとつの別の絵が見えてきて、そこに描かれているものが自分に関係しているとか、発想も面白い。
個人的には、なじみのある場所が舞台なので、読んでいて親しみがわいた。
この本では城山に続く登山道は森のように描かれているけど、森というには大げさにしても、そんな風に見えない事もないか・・・と思った。

レビュー投稿日
2018年12月20日
読了日
2018年12月20日
本棚登録日
2018年12月20日
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