役に立たない人生相談

3.67
  • (4)
  • (10)
  • (9)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 80
レビュー : 18
著者 :
katatumuruさん 佐藤愛子   読み終わった 

久々に読んでいて気持ちが良くなった本。
タイトル通り、読者のお悩みに佐藤愛子さんが回答しているという本だけど、その回答が人生を長く生きている人はこんな風にこんな事を言うんだな~と、どれも腑に落ちた。
多分、作者の佐藤愛子さんは90代だと思うけど、それでこの文章が書けるという事がすごい!
何やらすごい事を書いてある啓発本よりも心にストンと落ちてくる、人間らしさを感じる言葉の数々。
ストレートなので、「キツい・・・」と思う人もいるかもしれないけど、よくよく見ると、キツいだけじゃなくてちゃんと相談者の立場に立って回答しているのが分かる。
そして、自分では分からないことはちゃんと専門家(医師)に話を聞きに行ったりしている。
何という誠実さ・・・。
それだけで私ならどんな回答だろうとその人に心を開いて感動するだろうな・・・と思う。

お悩みの数々は、「人生に夢は必要か?」「結婚生活が平穏すぎて退屈です」「消費欲がとまらない」といった、どちらかと言えば深刻でない(本人にとっては切実だろうけど)内容で、それらひとつひとつにちゃんと向き合っているというのが伝わる。
私は最近、どの啓発本を読んでも言葉を拾うほど感銘を受けることはなく、「いい事書いてるよな・・・」くらいだったけど、この本では書きだしたい文がいくつもあった。

例えば「知的で教養のある女性になりたい」という悩みに答える佐藤愛子さんの、
『例えば友達から苦しい話を打ち明けられた人が、ニイチェは、パスカルは、こういっているなどといって励ましても、何の肥やしにもならない。苦しんでいる人が求めているのは素朴な慰め、ない知恵を絞って一緒に解決の道を考えてくれる「真情」なのだということがわかっている人、それが教養ある知的な人なんです。』
『話題なんか豊富でなくてもいいのですよ。人の話を心を傾けて熱心に聞く。質問する。なるほど、と思えば大きく頷く。「聞き上手」になればいいんです。』
『本当に知的な人になるには長い時間、年月がかかるのです。知識が人間的魅力になるまでは。』
こんな言葉に大きく感銘を受けて、その通りだな・・・と思った。
クイズ番組でたくさんの回答をしているような人が知的か?というとそうではない、知的とはもっと違うものと普段から思っていて、それをちゃんと分かりやすく表してくれていると思う。

所々にイラストを挟み、それがいい味を出しているし、本自体が薄いのでとても読みやすい。
あっという間に読み終えて、読み終えた後は爽やかな気分になりました。

レビュー投稿日
2017年6月11日
読了日
2017年6月11日
本棚登録日
2017年6月11日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『役に立たない人生相談』のレビューをもっとみる

『役に立たない人生相談』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする