並には勝る女たちの夢

  • 白水社 (1995年3月1日発売)
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感想 : 1
5

ベケットの処女作らしいが紛れもなく一番いい!濃すぎて斜め読みできない。なんというか、とにかくすごい!表現の美しさとはこういうものなのかと言った感じ。とくに最初の方が無駄がない.
処女作や書きはじめが感情が爆発するようにぐっと入ってくるというのは本当かもしれない.
中盤あたりからいつものベケットらしく,やはりちょっとくどくなってくる.
美しさとは超越でもあり,無駄のなさ,いかに直球かというところでもあると思う. ベケットはとくにそういうタイプの美しさを追求しているように見える.

真なる実在はペストのような有害だった。想像力にチャンスを与えないからである。

夜空は音楽の抽象的濃密性、終わりのない交響楽、終わりのない照明だ。

歌の文句を使えばそうでなければ何もなしであった。

愛すべきものをみずから進んで
失ったものは
悲しみとともに失うだろう
彼が愛してきたものを


美というものは結局カテゴリーに従属しない、カテゴリーを超越しているという例のポイント。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Drama
感想投稿日 : 2012年12月27日
読了日 : 2012年12月31日
本棚登録日 : 2012年12月26日

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