他人の始まり 因果の終わり

著者 :
  • 河出書房新社 (2017年9月9日発売)
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感想 : 14
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ーーー生き延びるために何をするかではなく、生きている間に何ができるかーーー


家長の立場である、妻と娘二人の石田家
息子の立場である、父と母と孝二と育の石田家
父が育った家族のこと
「家族」についての記述を残そうと構想していたエッセイは、弟・育の自殺、父親の入院、はたまた自らのガン発覚、と様相を変えてしまった。
それでも家族のことを書きたい、闘病記にはしたくない、というECDの構想はブレずに書籍化されたのではないかとおもう。

植本一子の『家族最後の日』で読んでいた感触とは、立場も考えかたも違う、石田さん目線の本。
いまの石田家については植本一子著のほうが触れている。
「僕」のことを振り返ると、ご両親についての記述が印象に残る。自分が家族を形成したからこそ、見えてくる父親と母親に対しての気持ち。父親が渡してくれた母親の日記。母親と幼少期を過ごし、壮絶な経験をしてしまった育のこと…
そしてガンが発覚して戻ってきた家族のこと

「核家族」でも「大家族」でもない新しい家族の形で成長する二人の娘の今後を、石田さんに見届けてほしいし、わたしもご両親の目線を通して、読者として見届けたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記
感想投稿日 : 2017年9月10日
読了日 : 2017年9月10日
本棚登録日 : 2017年9月10日

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