寝るまえ5分の外国語:語学書書評集

著者 :
  • 白水社 (2016年9月14日発売)
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感想 : 23
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語学が苦手である。社会人になってから何度か英語をやり直そうとしたけれどうまくいかず、
他の言語にも手を伸ばしたが、上達する気配はない。
外国の方とスムーズにコミュニケーションしている人を見ると、素直にすごいなと思う。

本書は、語学書の書評集。
「そもそも実用100%の語学書に書評が成立するのか?」という疑問は、しかし、いい意味で裏切られる。

筆者の黒田龍之介さんは、言語学者でありロシア語の教師であると同時に、数十か国語を学ぶという経歴をお持ちで、その語学書の優れているところの紹介だけでなく、その言語を学ぶうえでの自らの苦労話や、その国にまつわるエピソードをうまく散りばめて外国語(とその国)をめぐる洒脱なエッセイに仕立て上げられた。

また、単なるエッセイというだけでなく、怠惰な学生を学習に向かわせるための教師としての腕前も相当なもの。たとえばこんな感じ。

『解説がくわしいスペイン語の作文』にはホセとカルメンという隠れキャラが登場する。
P49で初めてホセとカルメンが登場する。「カルメンとホセはうまくいってないような気がする」
ふーん、カルメンとホセは付き合ってるけどうまくいってないんだ。
P68「私が食事をしていると、ホセから電話がありました」
きっと、カルメンの話だろうな。
P104「僕はカルメンは結婚してると思うよ。- 私はカルメンは結婚してるとは思わないわ」
カルメン、一体どんな女?ホセは大丈夫?
P114「ホセは本当のことは知らないかもしれない」
ホセかわいそう…
P114「ホセを愛してる人なんて誰もいない。彼はすっごい感じが悪いからね」
ホセ~!
果たして、ホセとカルメンの結末は…

語学を学ぶ楽しさを知り、また勉強したくなること請け合いの書評集。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年7月10日
読了日 : 2018年7月10日
本棚登録日 : 2018年7月10日

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