木曜日にインフルエンザに罹って以来、自宅の片隅の小部屋に隔離されています。
家族との接触も、特に子供たちとはほぼ完全に遮断されてしまい、点滴と薬のおかげで熱も痛みもなくなった身には少々退屈ではありますが、唯一よかったと思えるのは嫌というほど本が読めること。
といってもやはり限界はありますが、数日間という限られた時間ということで、ここは逆にプラスに考えていきたいと思います。
で、こういう時には素晴らしい本に出会えるものです。
2011年12月の発行ですし、かなり売れた本ですので、今さら何を…という方も多いとは思いますが、「100円のコーラを1000円で売る方法」を読ませていただきました。
正直言って、なぜもっと早く読まなかったのかと後悔したくなるような一冊。でもここはあくまでもポジティブシンキングで、このタイミングであっても出会うことができたことを素直に喜びたいと思います。
簡単に言えば、世の中にあまた存在するマーケティング理論とその実践例のエッセンスが網羅されているということ。全てではなく、エッセンスという点がポイントです。
一人の女性マーケッターを主人公に、紆余曲折を経ながら業界最大手に挑んでいくというストーリーもかなりリアルで興味津々。ここに、マーケティング理論がうまく織り込まれているのですが、決して難解すぎず、かと言って表面的な理論の紹介とか子供向けのような簡易版というわけではなく、とにかく具体的で分かりやすい。早速明日からの仕事に活かしてみたくなります。インフルエンザで出社禁止の身にこのお預けはキツい仕打ちです。
そして何よりも、マーケティングって本当は複雑で、難しく、AだからBみたいにロジックだけで片付けられるものではないと思うんです。まさにマーケティングとは経営そのもの。でも、その難しいことを簡単に分かりやすく、しかもおもしろく伝えることができる著者の力量にはただただ脱帽です。
マーケッターだけでなく、商品開発、営業、開発設計、サービスなどあらゆる業務に携わる方々に読んでいただきたい名著です。また、巻末に整理されている各種マーケティング理論とその参考文献も魅力的です。
すでに続編も読み終えたので、そちらのレビューはまた後ほど。
- 感想投稿日 : 2015年2月15日
- 読了日 : 2015年2月15日
- 本棚登録日 : 2015年1月3日
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