われわれは物それ自体を見ており、世界はわれわれの見ている当のものである。ーこういうたぐいのきまり文句は、自然的人間と哲学者に共通の信念を表しており、われわれをわれわれの生活に含まれている声なき「臆見」の深い地層に送り返すのである。だが、この信念には奇妙なところがあって、もしそれを命題や言票に表現しようとすれば、つまりわれわれとは何であり、見るとは何であり、物とか世界とは何であるかを自問してみるならば、われわれはさまざまの難問や矛盾の迷宮に入り込むことになるのだ。
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135|フランス・オランダテツガク
- 感想投稿日 : 2012年4月8日
- 読了日 : 2012年4月8日
- 本棚登録日 : 2012年3月28日
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