触ることから始めよう

著者 :
  • 講談社 (1997年3月1日発売)
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「子どものときに、わかるわからないはべつにして、いい絵を見せる、いい音楽を聴かせるということは大切なことです。子どもだからこの程度でいいやとイミテーションや甘ったるいものを見せたり聴かせたりするよりは、はじめからいいもの、本当のものに触れさせることは、子供の将来にとって大事なことなのです。」(p153)


「繰り返しますが、人間というのは矛盾だらけのものだと思います。この矛盾を数学の公式のようにずばっと解決できるものなら、人間の歴史のなかで小説など書かれなかったかもしれません。人間の生き方において、これだという結論が出ないからのたうちまわったり、問いかけたりしているのです。私たち彫刻家の仕事も、人間のあり方への問いかけなのだと思って私は仕事を続けているのです。」(p206)

芸術とはその人の人格や哲学が出るものなんだなと実感しました。

入試でも芸術の解釈にひとつの解答をもうけて正誤を判断することがあり、芸術の感じ方は自由であるはずなのにと疑問を呈されています。

全体としては、彫刻家・芸術家という立場から、失敗や苦労が減っている分現代はかえって大変(感動や達成感などがへっているということと理解)ということが書かれていました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年6月17日
読了日 : 2019年6月9日
本棚登録日 : 2019年6月9日

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