題名が気になって、「アクロイド…」を再読してから読み始めた。語り手が真相を明かさずに、真実を語らなければならないという制約が、物語に入子構造をもたらし、複数の真相が重ね合わせ状態になっているという分析は面白い。本作のポアロの推理に説得力が欠けると感じていたのでこのあたりの論旨は納得できる。固い内容ではあるが、原作の初出時の図版なども多く楽しめる。アガサの私生活と「アクロイド…」の関係についての記述には感心した。カフカやシェークスピアなどと比較し論ずるのは、やりすぎのようにも感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2014年1月22日
- 読了日 : 2014年1月22日
- 本棚登録日 : 2014年1月22日
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