古語を並べて小説表現に用いるというアイディアを思いつきはしても実際に実現できる作家はそうはいないだろう。最初は戸惑いがあったが読み進めるうちに古語の出現が楽しくなる、連続で現れると思わず拍手をしたくなる、JAZZのアドリブの難易度の高いフレーズを待ち望むのと同じような楽しみ方ができる。選りすぐった古語を集めて作った小説の題材の一つが選りすぐられた素材を集めて作られる料理であるのもむベなるかなといったところか。近年の日本社会を背景にした美と欠損を抱えた主人公の半生に島田雅彦の作品と似た印象を持った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年7月16日
- 読了日 : 2013年7月14日
- 本棚登録日 : 2013年7月16日
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