望み (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年4月24日発売)
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感想 : 354
3

リアルな事件であればあるほど辛さが先に立ってしまいます。展開がどうのより、読むのがキツイ自分がいます。この場合特に親の立場で考えるから。
犯罪に巻き込まれた息子。無事を祈る両親の揺れ動く感情。
一登(父親)の仕事柄、家への愛着は人一倍と見える。
一登のつくる家、一登が描く理想の家がスライドする。
守りたかったものが崩れてゆくのは何故か。
どちらを選ぶか、ということではない気がする。息子を信じることが、最悪の事態でも、ということではないと思うし。なぜこのような事態になったのかということに目を向けると、本当の息子の気持ちを理解していたのか、という点に行きつく気がして。
唯一の救いが見えましたが、それが気持ち的に希望にまではいかなかった。読後も重い気持ちを引きずり、泣けるというよりしんどい。(私は)映画は観れないなぁと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月2日
読了日 : 2023年3月2日
本棚登録日 : 2023年3月2日

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