- Something Borrowed
- EmilyGiffin
- St. Martin's Griffin / 2001年3月31日発売
- 本 / 洋書
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真面目で慎重さだけが取り柄のRachelは、30代に差し掛かり自分の平凡な人生に行き詰まりを感じていた。マンハッタンで弁護士として働き安定した人生を送っているが、気難しい上司に翻弄され、仕事に喜びを見いだすことができず毎日悶々とした日々を過ごしていた。一方、幼馴染で親友のDarcyは容姿端麗で社交家。PRという華やかな世界で自分の人生を満喫しているように見える。そんな中ある事件が起こる。Darcyの30歳の誕生日パーティに参加した帰り、Rachelは酔った勢いでDarcyの婚約者と一夜を共にしてしまう。平凡な人生は一変する…。
もし親友の彼氏を好きになってしまったら…と、想像するだけで恐ろしいシチュエーションがテーマだけど、不思議と元気がでる一冊。親友Darcyの結婚式が刻々と迫る中、Rachelが自分の人生やDarcyとの友情をを見つめ直し、葛藤しつつも殻を破ろうとする姿は、この手の恋愛を経験したことがなくても共感できる。
秘密の恋のハラハラ感とストーリー展開の速さで、続きが読みたくて仕方がなくなるのも魅力。夜更かし注意本かも(笑)
2011年4月17日
- 砂の器 上 (新潮文庫 ま-1-24 新潮文庫)
- 松本清張
- 新潮社 / 1973年3月29日発売
- 本 / 本
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レビューは下巻に。
2011年4月17日
- 砂の器 下 (新潮文庫 ま-1-25 新潮文庫)
- 松本清張
- 新潮社 / 1973年4月3日発売
- 本 / 本
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東京の蒲田駅で殺人事件が起こった。被害者の東北訛りと「カメダ」という言葉を手ががりに捜査が行われるが、犯人の手ががりは一向に掴めず事件は迷宮入りしていく。捜査本部が解散した後も刑事の今西は事件を追い続けるが、そのうち第二、第三の殺人事件が発生する…。
久しぶりに読み応えのあるミステリー小説に出会えて大満足。
今西刑事の丁寧な捜査活動と持ち前の研ぎ澄まされた勘によって、一見無関係のように思える出来事から少しずつ事件の紐が解かれていく様子が面白かった。登場する人物や出来事が全て繋がっていて、ストーリー全体がまるで大きなパズルのようになっているのもすごい。
小説の舞台になっている昭和初期の描写も新鮮。当時の東京の街、特に銀座のバーや喫茶店についてあれこれと想像しながら読み進めるのも楽しかった。
これまで松本清張は読んだことがなかったけど、他の代表作もぜひ読んでみたい。
2011年4月17日
玄武書房に勤める変人こと馬締光也が、個性的な辞書編集部の仲間と共に、新しい辞書「大渡海」の編集に奮闘する物語。
「船を編む」は、辞書という題材をとおして、ものづくりにひたすら情熱を傾ける人々を描いた物語。「下町ロケット」でも感じたことだが、人生をかけられる仕事があるというのは本当に素晴らしいことだと思う。
本を読む醍醐味はいつだって、「知らない世界を覗ける」ところにあると思っているが、「船を編む」では、辞書編集の工程を覗くことが出来て楽しかった。読み終わった後に、家にある辞書を引っ張り出してきて、改めて中身をじっくり読みたいと思った。
2012年1月2日
- 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)
- 江國香織
- 集英社 / 2003年6月20日発売
- 本 / 本
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主婦、編集者、花屋、etc. 9人の女性たちの恋愛を描いた作品。江國香織が描く恋愛はとてもリアル、そしてドラマチックだと思う。「こんな恋がしたい!」とか思わせる要素が一切ないのに、人が恋に落ちてしまう必然性のようなものに、妙に共感してしまう。
彼女の作品で、もうひとつ重要なキーワードが「結婚」だ。江國香織の作品の中で描かれる夫婦は、一見幸せなカップルに見えるが、実は心の中に大きな違和感、苦しみ、あるいは後悔などの感情を抱いていることが多い。そして、それを誰にも打ち明けられない。夫(または妻)や親友にも。そして、それが新たな恋へのトリガーになったりする。
だからと言って、彼女の作品の登場人物が全て不幸だとか、作品が不幸な結末で終わるわけではない。登場人物はみな自分の選んだ「恋愛」を、たとえそれがどういう形のものであれ、ある程度納得してたんたんと受け入れている。それが、江國香織の小説のリアルさであり、すごいところかもしれない。
2013年12月1日