読書状況 読み終わった [2018年7月8日]
カテゴリ 社会

人口減少の肌で感じられる良作でした。

NHKスペシャルで縮小ニッポンの衝撃を見て、本書を読んでみました。「地方では、ここまで人口減少が進んでいるのか」と衝撃を受けました。私が住んでいるのが京都府の住宅地なので、高齢者が増えたなとは思っていましたが、人口減少がそんなに進んでいないこともあり、実感がわかないというのが正直なところでした。
ですが本書を読むと、地方部での人口現象が深刻な状況であることが理解できました。それは、私が住んでいる地域でもいずれ起こるであろう現象であることも理解できましたので、読んでよかったと思いまs。

2018年7月8日

読書状況 読み終わった [2018年7月8日]
カテゴリ 社会

本書は、前著の「未来の年表」の続編として「2」がつけられていますがが、前作とアプローチが異なっています。
前作は、人口減少カレンダーとして時間軸を追う形で書かれてあり、「20○○年にはどうなっているか」という切り口でした。しかし、今作は「自分の日常生活で何が起きるのかを教えてほしい」という読者のリクエストに基づいて書かれているため、私たちの身近で起こることを中心に書かれています。それ故に、とてもリアルに少子高齢化を感じられる。それが、とても恐ろしいことだと感じるには充分な内容でした。

前作と同じく、今作も2部構成でした。
第1部では、人口現象の影響をデータや知見に基づき、身のまわりで起こるであろうことを「人口現象カタログ」として示しています。かなり具体的に自分の身の回りで起こるであろう出来事が書かれてあります。

”ネット通販が普及し、商品が届かなくなる”というのがあるのですが、生産年齢人口が減ることから、ドライバー不足から商品が届かなくなる可能性があると著者は主張しています。このように、生産年齢の不足は、さまざまな面に影響を及ぼすことが書かれてあります。

その他、私の印象に残ったのは、”食卓から野菜が消え、健康を損なう”というところでした。
農業従事者の高齢化、そして後継ぎがいないことから、キャベツやハクサイ、レタス、ホウレンソウなどの葉物野菜の生産者数が減少傾向にあるそうです。
今後それが続けば、供給量が減り野菜の価格が上がり、食卓から野菜料理が減ってしまうのではないかという警鐘でした。これは、本当に恐ろしい問題だと思いました。こうした労働力不足から来る問題は、相当根深いものだと感じました。



第2部では、個々人や会社などで「「今からでも始められる対策」を中心に選択肢を提示しています。この部分は前作と同じですが、私たちの生活に密着する形で書かれているのが本作の特徴でした。ただ、書かれているのは当り前のことです。「働けるうちは働く」、「1人で2つ以上の仕事をこなす」などは、定年延長や副業の容認として既に動き出しているものもあります。
そうした当り前のことを積み重ねるしか方法がないのかもしれないですね。

正直に言うと、この本を読むと気持ちが暗くなります。前作も同様に感じましたけど、前作はまだ前向きに取り組もうと思いました。しかし、これだけ暗い未来をこれでもかと突きつけられると、本当に暗い気持ちになります。だから、読まないほうが良いのかもしれないです。

その時々を楽しく生きることができれば、それはそれで良いのではないかと思います。

少子高齢化によって未来に起こることに備えるため、一生懸命に生きすぎるのも良くない。適度に備えるくらいで良いのだろうと思います。でないと、あまりにも辛すぎますね。

2018年6月17日

読書状況 読み終わった [2018年6月17日]
カテゴリ 社会

本を読むすべての人に読んでほしい。できれば、本を読む前に読んでおいて欲しいのです!!

私たちは読書法を学んだことがなく、「学校で読書法を習った記憶がない」はず。
そもそも、学校の国語で習う本の読み方は「著者の思いを汲みながら読む。」や、「一字一句漏らさず読む。」などの文芸作品の読み方です。欧米諸国のように、読書法を体系的に教えることを日本ではしていないでしょう。いわゆるビジネス書の読み方や新聞、雑誌などの読み方を習った人はいないと思います。

私は月に1冊くらいのペースで本を読んでいました。けれども、「どうも内容が頭に残らず、ただ読み進めているだけ。」という感じがしていました。「このまま読み続けても、読書の効果がないのじゃないかな」と思い始めました。そして、気付いたのです。「読書法や読書術を知らずに読書をすることは、野球のルールを知らずに野球をするのと同じじゃないだろうか。」と。
やはり「気づき」は重要ですよね。それに気づいてからは、読書法や読書術に関する本を数冊読みました。

いまでも、読書法や読書術を強化するために、読書法や読書術に関する本を読んでいます。

その中の1冊が、この「本を読む本」です。読書法に関する本のなかで、この本を外すことはできないほどの古典的作品です。この本は1940年代にアメリカで書かれたもので、1970年代に日本語に翻訳されたそうです。

直訳に近いために小難しい表現が出てきたり、例として挙げられている文献が洋書のためにピンッとこないところがあったりしますが、読書の本質を鋭く突いています。月に1冊くらいは本を読む習慣のある人が、更に本を読む量を増やしたい、内容を深く理解したいと思うのに役立つ内容が盛り込まれています。また、本だけでなく「活字を読む」読み方を教えているところが特徴的で、読み方を4つのレベルに分けて説明しています。以下の4つのレベルを要約します。

そのレベル分けは次のとおりです。
■レベル1 初級読書
読み書きのまったくできない子供が、初歩の読む技術を習得するためのもの。

■ レベル2 点検読書
限られた時間内に1冊の本のからできる限り多くのものを引き出すもの。→「速読」と言われるものは、ほぼここに入ります。

■ レベル3 分析読書
良い本を時間の制約を設けず通読して、著者の意見に賛成、反対の意見を述べるもの。

■ レベル4 シントピカル読書
1冊だけではなく、1つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むためのもの。

以上が、本書で紹介されている読み方です。
私はこの本を読むまで、ほとんどの本を「レベル3分析読書」のように通読していました。とにかく本を通読していたのです。というよりも、「通読しか知らなかった。」のです。「だから読書量が増やせなかったのだ」、と気づきました。

本書では、「レベル3分析読書」の読み方が必要な本は非常に少数であると言っています。
ということは、ほとんどが「レベル2点検読書」で良いということになります。この考え方が画期的でした。「レベル2点検読書」は、一般的に言われている「速読」です。目次を見て、ところどころ拾い読みをする。「その程度で良いんだ。」と目から鱗が落ちました。

ここで印象に残った文章をいくつかご紹介いたします。

"読書が成功するかどうかは、書き手が伝えようとしていることを、読み手がどこまで理解できるかにかかっている。"

"意欲的な読み手は問いかけをする。意欲的でない読み手は問いかけをしない。だから答えも得られない、ということになる。"

"本当の意味ですぐれた読書家になるには、それぞれの本にふさわしい読みかたを見つけ、読書の技術を使い分...

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2018年6月9日

読書状況 読み終わった [2018年6月9日]
カテゴリ 読書術・読書法

人口減少は恐ろしい!! それを実感!

最近、NHKで「縮小ニッポンの衝撃 労働力減少 そのとき何が」という放送がありました。
人口減少社会が現実に到来し、人口構成がピラミッド型から棺桶型と呼ばれる形に変化していくなか、本書はその恐ろしさを真正面から書き綴っています。

読後の感想は「とても複雑な気持ち」でした。
半分は「読まなきゃ良かったな。」という気持ち、半分は「子を持つ親として、責任を果たさなきゃな」という気持ちでした。未来があまりにも暗く描かれているため、そうした気持ちになりました。


本書は大きく分けて、2部構成になっています。
第1部は、「人口減少カレンダー」として2017年から約100年後の2115年まで、年代順に何が起こるのかを示しています。人口がどのように減っていき、その状況で何が起こるのかを予測しています。

第2部は、第1部で取り上げた問題への対策を、「日本を救う10の処方箋」として提言しています。
著者はこの第2部の基本的な考え方を
"われわれが目指すべきは、人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えである"
と主張しています。

「読まなきゃ良かった」という気持ちになったのは、第1部の人口減少カレンダーの予測があまりにも暗く描かれていることです。また、この予測が既出の統計情報に基づいているため大きく外れることがないのが、さらに暗い気持ちにさせます。
一方で私には子どもがいます。「この子たちは、こんな未来を歩んでいかなきゃいけないのか。」と思い、「子を持つ親として、責任を果たさなきゃな」という気持ちを持ちました。

第2部では、それら問題への処方箋として、10個の案が提示されています。
このうち、いくつかの対策は既に始まっています。ただ、これら既に始まっている対策は、「縮む」ことを目的としているため消極策です。

積極的な対策があれば、若者がもっと希望を持てるのではないかと思います。私の勝手な意見ですが、これからの積極的な策は「教育」ではないかと思います。これまでの「皆を均質化する教育」ではなく、「突出した才能を掘り出し伸ばしていく教育」が改めて必要ではないかと感じました。

これから「人口激減」に対して、国家として取り組まなければならないのは間違いないことです。願わくば技術革新により、問題解決への時間稼ぎだけでなく、根本的な問題解決ができればと思います。

一個人としては、次の世代に迷惑をかけないよう可能な限り働き続けて、自立して生活ができるよう健康に気をつけていこうと考えました。それが「自分ができることの第一歩」だと思います。

2018年6月8日

カテゴリ 社会

いよいよ戦いはパラディ島からマーレ国内に移ります。
エルディア対マーレの戦いが、いつの間にかエルディア人同士の戦いにすり替わっているのが、なんとも言えないところです。
やはり巨人の力は偉大ですね。

2018年6月8日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2018年6月8日]
カテゴリ コミック

”「定価5,500円のテレビゲームに面白さで負ける人生を送って、どうする!」”

と苦痛に満ちた人生を送る人達に向けて、人生をゲーム化、ドラクエ化させて楽しむ方法を説いている自己啓発本です。

本書でゲームとは、

”目的を達成するための ルールに則った 敵との 楽しい闘い!”

という独自の定義を定めています。この定義を人生に投入することで、人生をゲーム化して楽しもうと著者は主張しています。

とても分かりやすくまとめられていて、私がドラクエ世代のため、人生をゲームと捉える考え方は受け入れやすかったです。

初めてドラゴンクエストをやった時の、ワクワク感やドキドキ感を思い出しながら、読みすすめました。

私が印象に残ったフレーズは、

”ゲームで楽しみを感じるのは、「ゲーム目的を達成」した瞬間以上に、ゲーム目的を目指して遊んでいる最中だということ!”

というところです。

ラスボスを倒す瞬間以上に、レベルを上げたり、ダンジョンをクリアしたり、そうした遊んでいる最中がもっとも楽しいのは、ゲームだけではないのでしょう。

しかし、私たちは社会人になり成果を求められ、ノルマを課されていきます。「目的達成」と「結果」を求められるようになるにつれて、「遊ぶ」という行為をどんどん忘れていくように感じています。

そうした結果、自分の人生がどんどんつまらなくなっていく、そのことが理解できました。

これからは、人生に起こる出来事を「冒険イベント」と捉えて、ドラクエ化して遊びながら生きていこうと思えるようになりました。

お手軽な自己啓発本として、ドラゴンクエスト世代には良い本だと思います。

2018年6月8日

読書状況 読み終わった [2018年6月8日]
カテゴリ 自己啓発

長寿は厄災なのか。否そうではない! そうさせないための提言が、本書には書かれている。

これまで、寿命が70歳くらいだった世代は、「教育→仕事→引退」という、3ステージの画一的なライフステージだった。

しかし長寿により、より長い期間を仕事をすることになるため、10代か20代の教育期間に覚えたスキルだけでは、すべての仕事期間がカバーできなくなってしまう。その結果、仕事期間中でもスキル習得のための教育期間が新たに必要になったする。それ以外に、子育てやボランティアなどの活動を男女を問わずおこなうステージが現われる、といったものでった。

私は本書のこの主張に納得した。今でも、画一的なライフステージから外れて活動する人が増えているなか、長寿がそれを後押しするのは全うなことに感じたからだ。

変化の激しい社会において、仕事というステージを22歳から始めて80歳くらいまでするなら、同じスキルで58年間稼いでいけるのか。社会の変化に合わせて、スキルの再習得期間が必要になるのは必然である。

ただ私が納得しづらかったのは、多世代同居が進むと提言していたところだ。歴史的に見て、これまで多世代同居から核家族化が進んできたのに、また前世代の家族の形に戻るとは考えづらいのではないか。
それとグローバル化に伴い、国境を越えて住む場所を変える人が出始めているなか、同じ場所に住み続ける多世代同居は無理があるのではないだろうか。

私の人生にも変化を与えるであろう「長寿」という課題、それに取り組むきっかけを与えてくれる良書だった。

2018年3月17日

読書状況 読み終わった [2018年3月17日]
カテゴリ ライフスタイル

これまで、エルディア島のエルディア人の側から見ていた話を、マーレ側のエルディア人から見る話になっています。

実は、巨人の力を持ったが故に世界から嫌われ者になってしまった、エルディア人同士の戦いだった。そんな悲しすぎる話だったんですね。

2017年8月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2017年8月22日]
読書状況 いま読んでる

映像化は無理。この本は、文字だからこそ面白さがある。そして、さすが直木賞と本屋大賞のダブル受賞作品!

私はクラシック音楽にはかなり疎いです。
なので、初めは楽しめるか不安でしたが、そんなことは全くの杞憂でした。とにかく面白いです!!

読後に、「ああ、これでもうこの主人公たちに会えなくなるのか」と、久しぶりに寂しさを感じる良作でした。


ストーリーは、3年に1回おこなわれる「芳ヶ江国際ピアノコンクール」という架空のコンクールを舞台に、4人のコンテスタントがそれぞれの背景を抱えながら優勝を目指していく、という青春群像劇でした。

この小説の魅力は、まず登場人物です。コンテスタントの4人はそれぞれに独自な背景をもち、さらに審査員として出てくる人たちにも背景がしっかり設定してあり、音楽家という一般の読者から遠い存在を身近に感じれるように描かれています。

コンテスタントのうちのひとり、「風間塵」という異色の存在に触発されて、周りの人物の成長が加速されていくという青年コミックにありがちなストーリーです。しかし、それを音楽コンクールという独特な設定に持ち込み、見事なストーリーに仕上げているのはお見事です。

さらに、そのうえ演奏される音楽の描写がとても秀逸。読んでいる自分が、コンクールのコンサートホールにいるかのような錯覚に見舞われます。それほど、圧倒的な演奏の描写でした。まさに、「本から音符が飛び出してくる」といった感じ! この部分の描写に、筆者は相当苦労したのは容易に想像できます。

魅力的な登場人物、一人の異端児の出現で回りの成長が加速されていくというストーリー、そして秀逸な音楽描写、これだけ揃えば面白いのは当然!!

もはや最後のコンテストの順位は、おまけです。

あとからネットで調べたところ、著者の恩田陸先生も10代のときにピアノを弾いていたそうです。それと、モデルになっている浜松国際ピアノコンクール(3年に1度開催)も4回取材をしていたということで、足かけ12年かけているのには脱帽です。

まちがいなくお勧めできます。

この作品は映像化は難しいでしょう。それは、文字だからこその面白さであるためです。

音楽を文字で表現しているところに、この本の醍醐味があるので、映像になると面白さが無くなってしまうのではないかと思います。

そうした意味では、本書は読んでおく方が良い1冊です。ぜひお読みください。損はさせませんよ。

2017年7月12日

読書状況 読み終わった [2017年7月13日]
カテゴリ 小説

堀江貴文氏の本を読むのは、これで4冊目である。さすがに4冊目ともなると、著者の考え方があらかた理解できて、新しい発見はないかと思いきや、きちんと新しい発見がありました。

まず本書は
第1章 学校は国策「洗脳機関」である
第2章 G人材とL人材
第3章 学びとは「没頭」である
第4章 三つの「タグ」で自分の価値を上げよ!
第5章 会社はいますぐ辞められる

以上の5章立てになっています。

著者は、

"「学校は会社が使いやすい労働者を大量生産する工場である」と言い切っている。そして、インターネットの登場によって、旧来型の国民国家が解体されつつある現在、もはや「国民」の養成機関としての学校には何の価値もない。"

と主張しています。
さすがに、ここまで言い切ってしまうのはどうかなと思いますが、的を得ている部分もあります。日本では教科書はいまだに検定制度をとっており、「国がお墨付きを与えていないものは、教育に使用してはならない。」となっています。この本でも触れられていますが、これは明らかに洗脳です。そういう意味では著者の意見に賛同できるところは多いにあります。

まず学校が必要ないということを前提として、第2章では今後、生き方の選択としてグローバルに生きるか、ローカルに生きるかに分かれていくと主張を展開させています。そして第3章では、何かにハマることの大切さを説き、第4章では頭を使い「レア」な人材になろうと説いています。
最後の第5章では、会社もまた洗脳機関であり、その会社はすぐに辞めることができると説いています。私は40歳を過ぎたおじさんなので、この部分を積極的に読みました。そのうえで著者が

”会社なんてさっさと辞めてしまえばいい。少しでも不平不満があるなら迷わず辞めるべきだ。”
”会社を辞めたくらいでは、大変なことにはならない。”

と言っているところに、すこし違和感を感じました。
確かにその通りかもしれません、会社を辞めた程度では大変なことにはならないかもしれません。しかし、次の仕事が見つからないかもしれない、家族を養っていけるのかという不安に苛まれながら、仕事を辞めるわけにはいきません。
そもそもその常識が、ここまで日本を豊かにしてきたという事実は無視できるものではないと思いました。

この本は良い内容でしたし、楽しく読めました。
ただ40歳を超えて、これまで刷り込まれてきた常識を覆すことは容易なことではないと感じました。

2017年7月12日

読書状況 読み終わった [2017年7月12日]
カテゴリ 教育学

近所の大型スーパーにある本屋にいったとき、面陳してあったのを見つけて目次をパラパラと見たところ、とても面白そうな内容だったので読んでみました。

まず、著者が精神科医であるため、脳の機能を最大に生かす「医学的メソッド」があり、そのうえで著者が留学で学んだアメリカ式の超効率的な「時短術」とを掛け合わせて、脳のパフォーマンスを最大まで引き出し、科学的に時間を2倍にする方法が書かれています。

著者によると、神・時間術には以下の4つの原則があります。
第1原則 「集中力」を中心に時間を考える。
第2原則 集中力を「リセット」して時間を生み出す。
第3原則 アメリカ式の仕事効率を手に入れる。
第4原則 「自己投資」のために時間を使う。

私がこの本から学んだことは、時間によって集中力が異なることでした。これまで時間によって集中力が異なるとは考えたことがありませんでした。また、「昼と夜の過ごし方」、「仕事の効率化」や「自己投資のために時間を使う」など、すぐにでも生活に取り入れられることが多数書かれています。ひとつ例を挙げると、

”脳を休める究極の方法は、目をつぶること。視覚情報が遮断され、脳は休息モードに入る。”

などは目をつぶるだけなので、誰でも簡単にできることだと思います。試してみると確かに効果があり、だいたい5分ほど目をつぶるだけで集中力が快復しているのが感じられました。これ以外にも、実用的なノウハウがたくさん詰まっています。

私はこの本の内容を活かすために、休みの日に午前中にジョギングをして午後から考え事をしていたのを、午前中に考え事をして午後からジョギングすることにしました。そのほうが脳を効率的に使うことができ、時間を効率的に使えることにつながるからです。

最後に、著者は精神科医として、「日本人の自殺・うつ病」を減らすことをミッションに掲げているそうです。そのために、この『神・時間術』のノウハウを使ってもらいたいとしています。とても立派な考え方に共感し、尊敬しました。著者の他の本も読んでみようと思いました。

2017年6月11日

読書状況 読み終わった [2017年6月11日]
カテゴリ 自己啓発

堀江貴文氏の著書は「ゼロ」に続いて2作目である。「ゼロ」が非常に面白い内容だったので、続けて堀江貴文氏の本を読んだ。

この本の前提は、インターネットは「水平分業モデル」であり、IoTが進むと全産業の”タテの壁”を溶かしていくというものである。そうなると求められる人材は、各業界を軽やかに超えていく「越境者」となり、その越境者に最も必要な能力が「多動力」であると説いています。
この主張には私も賛成です。これまでのタテの壁が無くなりつつあるのは事実だし、各業界を横断的に動ける人材が活躍するのも当然だろうと思います。現に自動運転自動車の分野では、自動車製造会社ではなくGoogleが世界をリードしているという事実は、タテの壁がなくなりつつある象徴ではないかと思います。

この本は、これまでの日本人の価値観を変えようとする内容です。これまでの価値観を「ある種の洗脳」とすら書いているところがとても痛快でした。私自身は、この日本人独自の価値観に違和感を抱いていて、「なぜ本音を口に出してはいけないのだろう。」や「1つの会社で定年まで勤め上げることが、立派なことなのか。」と常に疑問に思っている人なので、堀江貴文氏の意見には賛成できるところが多くあります。

それはさておき、本書の内容は、
第1章 1つの仕事をコツコツとやる時代は終わった
第2章 バカ真面目の洗脳を解け
第3章 サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
第4章 「自分の時間」を取り戻そう
第5章 自分の分身に働かせる裏技
第6章 世界最速仕事術
第7章 最強メンタルの育て方
第8章 人生に目的なんていらない
以上8章立てとなっています。

「おわりに」のところに書いてありますが、
第1章では、日本人の頭に染み込んでいる、「石の上にも三年」という価値観の転換を図った。
第2章では、完璧主義や準備至上主義といった「バカ真面目」の洗脳を解いた。
第3章では幼少期から教え込まれている「バランス教」のおかしさを暴いた。
というように、これまでの日本人の価値観を変えようとする試みがなされています。
さらに、
第4章、5、6章ではどうすれば「多動力」を身につけられるかといった具体的な仕事論を明かした。
と書かれてあります。
まず「自分の時間」を取り戻し「他人の時間」を生かされないようにし、仕事を効率よくすすめる工夫をすることが書かれてあります。
本書は、堀江貴文氏の価値観が端的に表現されていると思います。「大事な会議でスマホをいじる勇気をもて」や「資産が人を駄目にする」などは、とても面白い発想です。私も会議中に、資料を読むフリをしてkindleで本を読んだりしています。

団塊の世代が読むとびっくり仰天する内容ですが、これが今の現実を反映していると思います。とても面白かったです。

2017年7月12日

読書状況 読み終わった [2017年7月12日]
カテゴリ 自己啓発

社会派ブロガーのちきりんが、過去にツイッターでつぶやいたなかで、ユニークなメッセージを含むつぶやきだけを厳選して抽出し、ちきりん独自の「思考と思想の本」に仕上げたものが本書です。

本書の冒頭で述べられていますが、
「ツイートを集めただけのお手軽な本」ではなく、「ツイートだけで、これだけのことが伝えられるなんてスゴイ!」と思って頂ける本ができたと、自負しています。
というだけのことはあります。

本書では、
1 生きること
2 働くこと
3 社会
4 高齢化と少子化と男と女
5 ゆるく考えよう
6 ビジネス
7 ぐろーばりぜーしょん
8 自立&未来へ
という項目でつぶやきが分けられています。

私はちきりんのことを以前から知っており、「Chikirinの日記」をときどき拝見しておりました。なので本書を読んだところ、ブログと同様に彼女独自の視点で書かれているのに驚きました。140文字という制限にもかかわらず、端的に言いたいことを言っているところが素晴らしいとすら思えました。それに1つの文が140文字のため、良いテンポで読めることが、本書の良さであろうと思います。
彼女を全く知らない人が読んでも、彼女独自の視点が分かり、ブログを読みたくなるのではないかと思います。
以下、私が笑ったり、納得したりしたものを引用します。

”40代とか50代の人ってさ、若い子に「夢を持って頑張れ」とか言ってるヒマがあったら、自分が夢持って頑張ったほうがいいと思うよ。いやまじで。”

”「なんでも巧くこなせる優等生」より「自分の好きなことに尋常じゃないレベルののめり込み方ができる人」のほうが「正解」になりつつあると感じる今日この頃…。”

”「頭がいい」とかより「稼ぐ力がある」ほうが、これからの世の中、圧倒的に有利だと思う。”

”大丈夫。人生はなにかを成し遂げるためにあるんじゃなくて、楽しむためにあるんだから。”

”日本の根本的な問題は、富裕層への税率が高いことではなく、お金を稼ぐということへのリスペクトのなさだよ。”

”45歳にもなって、組織を離れたら食べていけないとか最悪。20年も働いてきて、何を学んでいるの?って感じです。”

”質問)ちきりんさんの考えるブラック企業とはどんなですか?
優秀な若者を抱え込んで30年後には市場でまったく評価されない中高年のおっさんにしてしまう企業ですかね。”


こうして書いてみると、際どい内容もあるかと思いますが、クスッと笑える内容も多いと思います。日本人にある独自の価値観を風刺しているところが、Chikirinの面白いところだと思います。
とくに最後のブラック企業のくだりは、電車内で読んでいたため笑いを堪えるのが大変でした。「本当、そのとおりだわ。自分も評価されない中高年のおっさんかもしれないな。」と思い、笑い転げてしまいそうでした。

そんなわけで、面白い本でした。

2017年7月12日

カテゴリ 自己啓発

プロフィールのつくり方に興味を持ち、本書を読んでみました。もちろん、本書の内容をこのブクログのプロフィールに反映させようと考えていますが、まだできていません。(苦笑) やらなきゃな。

本書は、著者が全国主要都市で開催してきた「仕事が”もっと”取れるプロフィール作成セミナー」の重要項目を本にしたものです。セミナーについて本書では、

「自分がこれまで生きてきた道を文章にすることで、お金に換えていける力をつけたい」ーそんな方々の気持ちを叶えてきたセミナーです。

と紹介しています。そのため想定している読者は、起業家やこれから起業をする方です。そうした方々が想定されていますが、私個人の意見ではサラリーマンが読んでも役立つ内容があると思います。

本書は5章立てで
1章 自分が付き合いたい人に選ばれて、ビジネスをするには
2章 あなたの中にある本当の自分を導き出そう
3章 仕事の取れるプロフィールを作ろう
4章 メディアごとの活用ポイント
5章 専門家に聞くプロフィールのポイント
となっております。

まず1章で、プロフィールがなぜプロフィールが重要なのかを説明し、よいプロフィールとはどういうものか説明をしています。
2章では、ワークをしながら本当の自分を導き出していくようになっています。「同業者は誰か」などが出てくるため、サラリーマンではなかなか取り組みづらい面があろうかと思います。私も、この部分は取り組みづらいので、ワークをすっ飛ばしました。
3章では、ストーリー型プロフィールの作り方が説明されています。ここも主としては起業した方が中心になっていますが、サラリーマンでも取り組めます。「起業前なので経験がない」という項目があり、起業前の人でも質問に答えられるように著者が説明をしてくれています。
4章では、タイトルどおり、メディアごとに活用するポイントが説明されております。
5章では、「プロフィールライター 山口拓郎さん」と「仕事がとれるブログアドバイザー 青山華子さん」へのインタビューが載っています。このインタビューもなかなか面白い内容となっています。

プロフィールを作成しますので、かなり内省しなければなりません。私もまだ内省が途中までしかできていませんので、プロフィールを完成させることができていない状態です。
3章のストーリー型プロフィールを作成したいのですが、18の質問に答えていくのがけっこう難しいです。以前のことを思い出しながら答えていくため、手間がかかります。

ただ、こうした内省の作業は後々に役立つのだろうと思います。コツコツとやっていき、1カ月以内にプロフィールを完成させたいと思っています。

プロフィールに特化した著者の視点が、面白い1冊でした。

2017年7月12日

読書状況 読み終わった [2017年7月12日]
カテゴリ ビジネス実用

シナリオについて学ぼうと思いアマゾンで検索をしていると、本書が出てきたので面白そうと思い読んでみました。
ビジネスにシナリオを導入することを提案しており、そのメリットは「仕事をエンタテインメント化できるようになる」と著者は主張しています。

本書は、世阿弥が提唱したとされる「序・破・急」の考え方にもとづき、本自体のシナリオが展開されていきます。
ちなみに「序・破・急」とは、

「序」は「つかみ」で、相手に興味を持ってもらい、面白そうだと思ってもらうことが大切。

「破」は「本題」で、ここには何かしらの「驚き」や「心の揺れ」がないといけない。

「急」は「クライマックス」及び「結末」で、ここでは「満足」や「納得」があることが大切。

とされています。

まず「序」として、仕事のシナリオを組み立てていく手順を紹介しています。仕事のシナリオを組み立てていく際は、「映画のシナリオ」のシナリオのつくり方が参考になると著者は主張しています。
「映画のシナリオ」を描こうとするときに、まず考えなければならないのは次の5つのポイントです。
①わかりやすいテーマ
②シンプルな構成
③魅力のある主人公
④主人公が描くゴール
⑤主人公に敵対するもの
です。
しっかりとした動機をもって、シナリオを組み立て仕事に取り組むと、人の心を動かせる可能性が高くなると説いています。

次に「破」として、「営業は恋愛映画」、「企画プレゼンはミステリー」、「交渉は人間ドラマ」、「対上司はロールプレイングゲーム」、「マネジメントはコメディ」と仕事の種類に応じて、具体的なシナリオをどう描いていけばいいかについて紹介していきます。

最後に「急」として、より大きなスケールで、多くの人を巻き込み、自分が人生において実現したいことを実行していくためのシナリオを紹介しています。チームを動かし、自分の人生を動かすためにシナリオを使っていく、そうした方法が紹介されています。

私は仕事で、プレゼンテーション用のスライドを作成する機会がよくあります。プレゼンテーションは、ビジュアルが大切ですが、ビジュアル以上にシナリオが大切だるとつくづく感じています。面白くないシナリオをスライドのビジュアルだけで面白くするのは、アニメーションを使えばよいので比較的に簡単にできます。人は動くものに目がいきますので、紙芝居が動けばそれだけで「すごい!」と思ってもらえます。それに音が加われば、大抵は面白く仕上がります。でも、それで「心に響くか。」と問われれば、やはり「響かない。」です。心に響くのは、シナリオがあってこそだと思います。
そうしたシナリオをビジネスに活かす方法を学ぼうと思うのであれば、本書はとても役立つものであるといえます。
普通のビジネスマンが読んでも、活かせる場面はたくさんあると思います。ここでは紹介しきれませんでしたが、「序」のところで具体的なシナリオの展開方法も載っており、私はそれを活用して今後のプレゼンテーション作成に活かしていこうと考えています。
一つ注意点があるとすれば、本書の「おわりに」に書かれていますが、シナリオの具体例がほとんど書かれていないことです。あくまでも方法論や思考法を学ぶことを目的としているため、型にはめればはい出来上がり!的名ものではありません。手っ取り早く手段を知りたいと思われる方には、役に立たない本です。

2017年7月12日

カテゴリ 仕事術・整理法

言わずもがなの、世界のコンマリさんです。2015年に世界で最も影響力のある100人に選ばれています。

この本に書かれていることは、「かつて人が生きていくうえで、基本としていたこと。」ではないだろうかと感じました。今思えば、日本でこの本が流行ったということは、日本人もモノの多さに嫌気が差していたということの現れでしょうかね。

気に入ったモノだけに囲まれて暮らすのは理想的で、幸せでもあると思います。今の日本人は、これでもかと流れるCMや広告の影響を受けて、「あんなふうになりたい。」、「あんな生活をしてみたい」と日々コンプレックスを植えつけられているのではないでしょうか。そのような状況では「精神的に豊かな生活」という概念は忘れ去られて、富と消費を追い求め、必要のないモノに囲まれ、ときめかない暮らしになってしまっているのだろうと思います。

この本は「片づけ」を通して過剰な消費社会に警鐘を鳴らし、大切なモノだけに囲まれて暮らす「豊かな暮らし」を提案しています。私はそのことに対して多いに賛同しました。
本書の終わりに、

でも、私は、部屋の片づけなんてさっさと終わらせたほうがいいと思っています。なぜなら、片づけは人生の目的ではないからです。

あなたは「あなたが本当にときめくこと」に大いに時間と情熱を注いでください。それは、あなたの使命といっていいかもしれません。

この文章に心を揺さぶられました。「片付けをして、自分の使命を全うしよう!」と思いました。
私は一旦片づけに取り組んでからは、常にモノを少なくするように気をつけています。自分の気に入ったものだけに囲まれて暮らす生活の素晴らしさを実感しています。

2017年7月12日

読書状況 読み終わった [2017年7月12日]
カテゴリ 生活の知恵

「<アイデアをどうやって手に入れるか>という質問への回答がここにある」、と表紙の裏側に載っており、そのとおりの内容です。

本書ではアイデアを手に入れるために、「アイデア作成の原理・原則」と、「アイデア作成の方法」が紹介されています。

まずアイデア作成の原理・原則は2つあり、
①アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
②既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きいということ。
と著者は主張しています。

次にアイデア作成の方法は、以下の5段階です。
第1段階 資料を収集すること。(データ集め) 
第2段階 心の中でこれらの資料に手を加えること。(データの咀嚼)
第3段階 問題を全く放棄する。無意識に任せる。(データの組み合わせ)
第4段階 アイデアの実際上の誕生。みつけた!という段階。(発見した!の瞬間)
第5段階 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。(アイデアのチェック)
以上の5つの段階でアイデアが手に入ると説いています。
以上が本書の内容です。

この本はページ数のとても少ないです。実質的に62ページまでが本書の内容で、63ページ目からは竹内均氏の解説が、89ページからは訳者あとがきが書かれています。しかし、これで充分です。これ以上ないほどシンプルに書き上げられたなかに、本質だけが詰まっている、そんな感じです。63ページ以降の竹内均氏の解説が本文の分かりづらい部分をうまく解説しており、この本を読む手助けとなっています。

誰だって社会人を経験していれば、一度はこうした経験をしていると思います。
「資料を集めて考えてみたが何も思い浮かばず、考えるのをいったん止めた。そして休んでいると急に「!」とひらめき、解決策が思いついた。」、こうした経験を文字にしたのが本書です。
私にもそうした経験があり、私はそれを「神が降りてくる瞬間」と周りに言っていました。いま思うととても恥ずかしい言葉ですね。そんな言葉を使わずとも、こんな良い本があったのですから。
この本の著者は、アメリカの広告代理店の役員をしているので、広告業界のアイデアのつくり方として紹介していますが、誰にでも当てはめることができる普遍的な法則であろうと思います。

2017年7月12日

カテゴリ 仕事術・整理法

本書は現代の知の巨人とも言える二人、池上彰氏と佐藤優氏が、普段が行なっているメディアの読み方を対談形式で体系的に説明しています。

本書は、
序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
第1章 僕らの新聞の読み方
第2章 僕らの雑誌の読み方
第3章 僕らのネットの使い方
第4章 僕らの書籍の読み方
第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方

の6章立てになっています。

読み方に関して、二人に共通するところもあれば共通していないところもある、これが本書の面白さだと思います。
たとえば第1章で池上氏は紙の新聞を読むが、佐藤氏は電子版を読むといったところが異なるところです。
共通したところでは、序章のところで触れられていますが、
”すべての知識の土台となる基礎知識をいかに身につけるか、それがインプットの技法において、じつは最も重要なこと”
というところは、二人に共通の認識でした。私はこの部分が本書の本質であろうと感じました。すべての土台となる基礎的な知識が欠けていると、いくらインプットしても内容を正確に理解することができなくなる、それがこの本の最も伝えたいことで、そのために第5章に「僕らの教科書・学習参考書の使い方」を載せています。まさか、知の巨人の二人が教科書を読んでいるなんて、思いもしませんでした。
”ビジネスパーソンにぜひ手にとってほしいのは、「公民」と「歴史」それから「国語」と「英語」の教科書です”
と佐藤氏が仰られていましたので、私は早速本書で紹介されている教科書を買いました。

「どうすれば、あれほどの知識を蓄えられるのだろう」と興味を持たれている方にとっては、最良の本であろうと思います。対談形式になっているので気楽に読めて、知識を増やす方法を手軽に知れる良い内容だと思いました。

2017年1月5日

読書状況 読み終わった [2017年1月5日]
カテゴリ 自己啓発

2016年上半期芥川賞受賞作品で、ずっと興味があったので読んでみました。

とても面白かったです。殺人事件じゃない、恋愛ドラマでもないけど、面白かった!

この作品は人物の描き方と世界観が秀逸で、登場人物が本当に存在する人、本当に身近にいる人のように感じられるところがすごいところです。

主人公は、普通でない人物として描かれていますが、誰もが彼女に自分の一部分を投影できるのではないでしょうか。(あくまでも一部分であって、決して全てではありません。)

日本人の同調圧力をうまく利用して、読む者が「私もうまく同調できないところがあるんだよね。」という部分を主人公に投影させることで、より深く作品の世界に没入することが可能になっているのだと思います。

それと展開上の肝は「白羽」という男の存在です。主人公と彼との奇妙な同居生活に進んでいくのですが、それが物語の展開に面白みをつけています。彼の個性の描き方が私には誇張気味に感じられましたが、「こんな負け組の考え方をする男っているよね。」と思えるリアルさで、主人公の異色さと相まって作品の魅力を増しています。その他の登場人物もリアルに描かれており、その場に居合わせているかのような錯覚すら覚えます。

推測するに、主人公は発達障害の女性であると思います。その発達障害の女性と、敗北した人生の責任を他者になする男性が織り成す物語で、淡々と読み進めることができる良作です。

著者は”普通”が何であるかを問うために、本書を書いたのであれば、相当な書き手であろうと思います。
私も他人の目を気にしないところがあるので、「主人公の視点が分からなくもないな。」と同感するところがありました。「普通”であることの難しさ。」を軽妙に描いていると思います。

ただラストが唐突なのが残念でした。「欲を言えば、もう少し余韻が欲しい。」といった感じです。

2017年7月12日

カテゴリ 日本文学

主人公を王様に設定し本を家来に例えて、ストーリー仕立てで速読術について説明されている本です。そのため、とても読みやすく、速読術を学びたい初心者の方におすすめできます。
この本には、本1冊を30分で読む方法が載っています。『本を読む本』のレベルに合わせると、「レベル2 点検読書」を詳細に説明していると言えます。
著者の主張は「少ない時間で、効率よく情報を得ること。」です。

その手順は、

◆第1段階 プレビューを5分間行う
この5分間で「この本を読む目的」をはっきりさせてしまいます。手順は以下のとおりで、
①本の表紙やカバー、帯などから得られる印象を確認しておく。
②次に目次を開いて、まず大項目を見て全体の構成を把握します。そして中にある中小の項目から、何が書かれているのかを推測します。
③残る時間で、パラパラと本文を見ていきます。見出しと図表、写真、イラスト、マンガ中心に見ていきます。
このように進めていきます。重要なことは、「この本を読む目的」をはっきりさせることで、「この本からこのキーワードを学ぼう」と考えて手がかりを探すことです。

◆ 第2段階 5分間で全ページを写真読みしていく
見開きを2秒でパッパッと眺めていく。読もうととせずに見ていく感じで。最初は慣れないが、慣れてくると写真読みで、「本から訴えてくるキーワード」、「見ていて気づいたキーワード」が浮かぶようになる。
こうして、10分で1冊の本を2つの角度から確認することができる。

◆ 第3段階 残りの20分を使ってスキミング法で読んでいく
スキミングとは、さっとすくい取る、ざっと読み取るといった意味である。大切なのは、2割を読んで8割を得ること。つまり8割を捨てるということ。要するに全部を読むわけではなく、大事なところだけをさっと読むこと。前の2段階で読もうと思ったところだけ読む、といった感じです。

と、3段階で1冊を読もうとするものです。

キーワードは、本の表紙に書かれていますが、「2割を読んで、8割を獲得する」です。読書に「パレートの法則」を持ち込んでいることが画期的といえます。

私は、この本で初めて「パレートの法則」を知り、精読しかしていなかった私に新しい本の読み方を教えてくれました。
実は、読書法の本のなかでいちばん初めに読んだのがこの本でした。そのため、
「精読せずに、大事だと思うところだけを読む。」
「本はいつでも読み返せるので、精読せずともよい。」という内容は、当時の私にとってはすごくインパクトがありました。
私は、本書で紹介されている速読法を実際におこなっています。始めてすぐの頃は難しくて、30分で終わらせることはとても無理でした。プレビューで15分、写真読みで5分、これだけ時間をかけて2つの工程をおこなっても、「キーワード」が浮かんで来ずに、けっきょく通読したり、プレビューと写真読みがうまく出来ても、スキミングで読む部分を探し出せなかったりと散々でした。
でも、ある時に気がついたのです、「そういや本は家来だから、必要ならまた会えば良いんだ。」と書いてあったことに。だから、気軽に読めば良いんだと思えるようになり、それからは随分と上達したように思います。今でも、この読み方を活用していますし、最初のプレビューは5分ではなく念入りに10分ほど行うようにしています。プレビューで「この本を読む目的」をはっきりさせられると、あとのスキミングが随分と楽になります。
ただ、この本の残念なところは、「アウトプットが大切」と説いてはいるけれども、どうアウトプットするのかまで突っ込んでいないところです。アウトプットのフォーム例などを示してもらえれば、もっと良い内容と思えるかもしれませんが、それは別に良いのがありますの...

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2017年6月11日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2017年6月11日]

まさか主人公が70歳の高齢者だったなんて、全く感じなかった。たしかに最初から主人公の年齢に対する描写はなかった。ただ、行動から推測して明らかに20代後半から30代前半だと思い込んでいた。最後まで読んで、「ええーー!?」っとなったのは、作者の思う壺だったのだろう。
人の思い込みを利用した、見事な叙述トリックだった。ここまではめられると、気持ちが良かった。

2016年1月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった
カテゴリ 小説
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