本を読む本 (講談社学術文庫)

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本棚登録 : 5360
レビュー : 584
制作 : 外山 滋比古  槇 未知子 
kazuya2078さん 読書術・読書法   読み終わった 

本を読むすべての人に読んでほしい。できれば、本を読む前に読んでおいて欲しいのです!!

私たちは読書法を学んだことがなく、「学校で読書法を習った記憶がない」はず。
そもそも、学校の国語で習う本の読み方は「著者の思いを汲みながら読む。」や、「一字一句漏らさず読む。」などの文芸作品の読み方です。欧米諸国のように、読書法を体系的に教えることを日本ではしていないでしょう。いわゆるビジネス書の読み方や新聞、雑誌などの読み方を習った人はいないと思います。

私は月に1冊くらいのペースで本を読んでいました。けれども、「どうも内容が頭に残らず、ただ読み進めているだけ。」という感じがしていました。「このまま読み続けても、読書の効果がないのじゃないかな」と思い始めました。そして、気付いたのです。「読書法や読書術を知らずに読書をすることは、野球のルールを知らずに野球をするのと同じじゃないだろうか。」と。
やはり「気づき」は重要ですよね。それに気づいてからは、読書法や読書術に関する本を数冊読みました。

いまでも、読書法や読書術を強化するために、読書法や読書術に関する本を読んでいます。

その中の1冊が、この「本を読む本」です。読書法に関する本のなかで、この本を外すことはできないほどの古典的作品です。この本は1940年代にアメリカで書かれたもので、1970年代に日本語に翻訳されたそうです。

直訳に近いために小難しい表現が出てきたり、例として挙げられている文献が洋書のためにピンッとこないところがあったりしますが、読書の本質を鋭く突いています。月に1冊くらいは本を読む習慣のある人が、更に本を読む量を増やしたい、内容を深く理解したいと思うのに役立つ内容が盛り込まれています。また、本だけでなく「活字を読む」読み方を教えているところが特徴的で、読み方を4つのレベルに分けて説明しています。以下の4つのレベルを要約します。

そのレベル分けは次のとおりです。
■レベル1 初級読書
読み書きのまったくできない子供が、初歩の読む技術を習得するためのもの。

■ レベル2 点検読書
限られた時間内に1冊の本のからできる限り多くのものを引き出すもの。→「速読」と言われるものは、ほぼここに入ります。

■ レベル3 分析読書
良い本を時間の制約を設けず通読して、著者の意見に賛成、反対の意見を述べるもの。

■ レベル4 シントピカル読書
1冊だけではなく、1つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むためのもの。

以上が、本書で紹介されている読み方です。
私はこの本を読むまで、ほとんどの本を「レベル3分析読書」のように通読していました。とにかく本を通読していたのです。というよりも、「通読しか知らなかった。」のです。「だから読書量が増やせなかったのだ」、と気づきました。

本書では、「レベル3分析読書」の読み方が必要な本は非常に少数であると言っています。
ということは、ほとんどが「レベル2点検読書」で良いということになります。この考え方が画期的でした。「レベル2点検読書」は、一般的に言われている「速読」です。目次を見て、ところどころ拾い読みをする。「その程度で良いんだ。」と目から鱗が落ちました。

ここで印象に残った文章をいくつかご紹介いたします。

"読書が成功するかどうかは、書き手が伝えようとしていることを、読み手がどこまで理解できるかにかかっている。"

"意欲的な読み手は問いかけをする。意欲的でない読み手は問いかけをしない。だから答えも得られない、ということになる。"

"本当の意味ですぐれた読書家になるには、それぞれの本にふさわしい読みかたを見つけ、読書の技術を使い分けるコツを体得することである。"

もっともな意見です。この本には全面的に賛成しました。いや、参りました。
この本にもっと早くに出会いたかったです。この本を大学生くらいのときに読んでいれば、読書の仕方が変わっていたと思います。

レビュー投稿日
2018年6月9日
読了日
2018年6月9日
本棚登録日
2018年6月9日
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