蜜蜂と遠雷

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本棚登録 : 10907
レビュー : 1432
著者 :
kazuya2078さん 小説   読み終わった 

映像化は無理。この本は、文字だからこそ面白さがある。そして、さすが直木賞と本屋大賞のダブル受賞作品!

私はクラシック音楽にはかなり疎いです。
なので、初めは楽しめるか不安でしたが、そんなことは全くの杞憂でした。とにかく面白いです!!

読後に、「ああ、これでもうこの主人公たちに会えなくなるのか」と、久しぶりに寂しさを感じる良作でした。


ストーリーは、3年に1回おこなわれる「芳ヶ江国際ピアノコンクール」という架空のコンクールを舞台に、4人のコンテスタントがそれぞれの背景を抱えながら優勝を目指していく、という青春群像劇でした。

この小説の魅力は、まず登場人物です。コンテスタントの4人はそれぞれに独自な背景をもち、さらに審査員として出てくる人たちにも背景がしっかり設定してあり、音楽家という一般の読者から遠い存在を身近に感じれるように描かれています。

コンテスタントのうちのひとり、「風間塵」という異色の存在に触発されて、周りの人物の成長が加速されていくという青年コミックにありがちなストーリーです。しかし、それを音楽コンクールという独特な設定に持ち込み、見事なストーリーに仕上げているのはお見事です。

さらに、そのうえ演奏される音楽の描写がとても秀逸。読んでいる自分が、コンクールのコンサートホールにいるかのような錯覚に見舞われます。それほど、圧倒的な演奏の描写でした。まさに、「本から音符が飛び出してくる」といった感じ! この部分の描写に、筆者は相当苦労したのは容易に想像できます。

魅力的な登場人物、一人の異端児の出現で回りの成長が加速されていくというストーリー、そして秀逸な音楽描写、これだけ揃えば面白いのは当然!!

もはや最後のコンテストの順位は、おまけです。

あとからネットで調べたところ、著者の恩田陸先生も10代のときにピアノを弾いていたそうです。それと、モデルになっている浜松国際ピアノコンクール(3年に1度開催)も4回取材をしていたということで、足かけ12年かけているのには脱帽です。

まちがいなくお勧めできます。

この作品は映像化は難しいでしょう。それは、文字だからこその面白さであるためです。

音楽を文字で表現しているところに、この本の醍醐味があるので、映像になると面白さが無くなってしまうのではないかと思います。

そうした意味では、本書は読んでおく方が良い1冊です。ぜひお読みください。損はさせませんよ。

レビュー投稿日
2017年7月12日
読了日
2017年7月13日
本棚登録日
2017年7月2日
2
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