荷風の「日和下駄」を先達にスニーカーで東京の街を散歩した記録。東京を坂と丘と谷の街と把握し、皇居から西と北へ延びる主要道路が尾根道と谷道の互い違いになっているとの指摘には驚いた。坂、崖、谷、路地を辿るときの空間把握力、さらに地図の読解力、もちろん文章力と写真の腕前とどれも素晴らしい。歩くことが本当に好きなのだと感じさせる文章により、どの散歩コースも自分も歩いてみたいとの誘惑に駆られる。「日和下駄」と昨年読んだ「東京骨灰紀行」でも取り上げられたかっての三大貧民窟の一つ鮫河橋には是非行ってみたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
随筆集
- 感想投稿日 : 2013年3月10日
- 読了日 : 2013年3月6日
- 本棚登録日 : 2012年10月21日
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