なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか

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  • PHP研究所 (2012年7月10日発売)
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「戦争を早く終わらせるため」という言説がウソだという立場で原爆が日本に2発落とされた経緯を細かく解説。
また、原爆にとどまらず、東京大空襲についても、当事者のインタビューやさまざまな資料を通して、その意味を問うている。

戦後、ただただ「祈り」を続け思考停止状態の日本はこういった事実からは目を背けていることがよくわかる。

最終章では、原爆からの議論を少し離れ、中東・アジアの不均衡な情勢について解説されている。
そして、日本がいま何をすべきかについての提言もなされている。

また原発運用の是非についても反反原発の立場から冷静に解説を加えられている。

下に【目次】を挙げておいたが、それだけでも興味をそそられるでしょう?
こう言ったことをゴッソリと置き忘れてきたのが、戦後日本の教育。

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【内容紹介(amazonより)】
日本人が毎年の夏、半世紀以上にわたって「二度と原爆の過ちは犯しません」と祈りを捧げている間に、世界では核兵器を持つ国が増えている。そうしたなか、日本は平和憲法を維持し、核兵器を持たないと決め、原子力発電もやめようとしている。だが、それで本当に悲劇は繰り返されずに済むのだろうか。
著者が日本に帰国すると、若い人々が口々に「理由のはっきりしない閉塞感に苛立っている」と述べ、日本国家に対する不信感を隠さないという。そこで著者は、本書の「まえがき」で、こう綴る。「日本はいまや原点に立ち戻り、国家と戦争、そして核について考えるべきときに来ている。日本が変わるには、考えたくないことでも考えなければならない」。
アメリカは何を考えて大量殺戮兵器である原爆を製造したのか。なぜ日本に原爆を投下したのか。史上空前の無慈悲な仕打ちはどのように日本に加えられたのか。新たな記録の発掘と新証言をもとに、「真実」に迫る。
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【目次】
第1章 真珠湾攻撃前からアメリカは日本への原爆投下を考えていた
第2章 広島・長崎への原爆投下は人体実験だった
第3章 皇居・京都への原爆投下も話し合われた
第4章 日本は軍事的に崩壊していた
第5章 それは日本に対するホロコーストだった
第6章 祈るだけでなく抑止力を持つことが必要である
あとがきに代えて―日本は何をなすべきか
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年9月11日
読了日 : 2012年9月10日
本棚登録日 : 2012年9月10日

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