孤島の鬼 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

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本棚登録 : 1475
レビュー : 223
著者 :
ケロリンさん  未設定  読み終わった 

正直に言って後味の悪い作品。
ただ、面白いかと問われると、素晴らしく面白く、読みやすい。
昭和初期に書かれたものとは思えないほど読みやすく、入り込みやすい作品であり、だからこそ、後味も悪く胸糞悪いという言葉がしっくりくる。

登場人物全ての人間に対して色々な意味で気分が悪くなるような、そんな気持ちにさせる本だった。
江戸川乱歩の作品はどれも、わかりやすい謎解きと、奇怪さが入っているように思う。
この本も中盤までは謎解きがメインになり、ミステリー小説のように読み進める、終盤になると気味の悪さと恐怖感がリアルに描写されており、読んでいるとこちらまで恐怖にかられるようである。

ただ中盤までの伏線と言おうか、謎であった部分は全て明るみに出るので本来ならばスッキリとした最後であろうが、なんとなく、釈然としない最後である。
そのラストに私は色々と考えを巡らせ楽しめたが、今の時代だと読む人を選ぶのではないかと思う。

そしてこれは時代のせいもあろうが、人間に対して差別的な描写がかなり多いため、ここも胸糞悪いと感じる部分であろう。
読む時代が今ではなければ、私自身が当時を生きている人間だったならば、少し違った感想が持てたのかもしれない。

レビュー投稿日
2019年5月17日
読了日
2019年5月17日
本棚登録日
2019年5月17日
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