クリミアからフランスに来た貧しい医者のダリオは日々の生活で精一杯、大家に借金を申し込む。困窮に喘ぐ中、伝手で金持ちの担当医となりダリオの下剋上が始まる。
ダリオとクララ、夫妻の移民としての拠り所のなさが随所に書かれ、彼らの華やかな成功は一時の幸せは続くのかと焦燥感に駆られました。
ロシアという国はいかさま治療師がいても不思議じゃないと思ってしまいます。これがアメリカだと「詐欺だ」って思って白けそう…。
ネミロフスキーはロシア帝国キエフ生まれ。アウシュビッツで獄中死。『フランス組曲』が気になっていたところ図書館で本書を偶然見かけたので手に取りました。
「俺たちには救うべき俺たちの悲惨があるんだ、よそ者め!」(P18)
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- 感想投稿日 : 2022年11月8日
- 読了日 : 2022年11月8日
- 本棚登録日 : 2022年11月8日
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