豪華すぎる作家さんたちによる小説の書き方指南。ミステリーだけではなく作家としての心構えなども書かれています。感想は印象に残ったもののみ。
まえがき…理事長・東野圭吾
まえがきからラスボス出してきた。
はじめに人ありき(福井晴敏)
作家として働くことの心構え、小説という媒体の長所など。「小説はもっとも容量の大きいメディアである。」とてもいい文章。
ミステリーと純文学のちがい(森村誠一)
ミステリーと文芸の相違点。「人口の美学こそミステリーの栄光である。」
オリジナリティーがあるアイデアの探し方(東野圭吾)
アイデアはメモにとっておく。自分が読者だったらどう考えるか。映画や本は何度も同じものを見たり読んだりする。自分が何を思ったかが大切。
アイデア発見のための四つの入り口(阿刀田高)
トリック型、パーソナリティ型、アフォリズム型、不可思議型
実例・アイデアから作品へ(有栖川有栖)
「トリックを効果的に読者に届けるためには「どんな舞台や登場人物にするのがベストか?」を 考え、それが決まった頃に物語の姿が見えてくる」
アイデアの源泉を大河にするまで(柄刀一)
「プロの作家に必要なのは、湧き水を大河にまで持っていく力量なのだと、私は思う。」
「作品を練りあげるというのは、作り手がどこまで自分 に困難さを課せられるか」
クラシックに学ぶ(五十嵐貴久)
『パパとムスメの七日間』を書いたときのことなど。基礎は重要。
<3.ミステリーを書く>
プロットの作り方(宮部みゆき)
ストーリーを要素に分解。「プロットは言語化しない、頭の中で作る」そうです。全面改稿することもあり。「良くない見本」である。
視点を誰にするかが大切。「文章は平明で正確でなくては いけない」
プロットの作り方(乙一)
本格推理小説におけるプロットの構築(二階堂黎人)
真ん中でブン投げろっ!(朱川湊人)
プロットの流れについて。本書の中では「講座」っぽい。
語り手の設定(北村薫)
「語りは騙り」「書き慣れていない人は、まず自分の書きたい人物を一人称で書いていく、あるいは書きたい人物のいちばん近いところにいる人物に視点を据えて脇から見て語るのがいい。」「〈 書く〉ということが表現ではなく、〈 見る〉ということが表現なんです。」
書き方、だけではなく普通のエッセイとしても好きな部類(ひいき目)。
視点の選び方(真保裕一)
視点と映像作品について。
文体について(北方謙三)
文体の呼吸、うねりの大切さ。「表現はすべて主観的でありながら、 客観的に理解 さ れなければいけないと思っている。」「体言止めはやるべきじゃない。」「擬音は基本的には使わない。」「日本語を 正確に書くっていうことを、まず小説を書く人はクリア してほしい。正確に文章を書く。テニヲハをきちんと書けるか。そこから始まると思う。」
こちがら驚くほど親切!非常に親切です!!
登場人物に生きた個性を与えるには(柴田よしき)
人物の書き分けについて。
「人物を描き分ける、というのは、外見を事細かく報告することとは、まったく別のこと」
「外見の描写をあまり用いないで、語る言葉や仕草でいかにその人物を印象づける か。その人物についての情報を読者に与えられるか。」
「「作品の勢い」ほど強い武器はない。」
セリフの書き方(黒川博行)
「登場人物にしゃべらせたいと思うことをいったん全部書いてから、あとで刈り込む」
ノワールを書くということ(馳星周)
人物の顔の描写はほとんどしないそうです。
<4.ミステリーをより面白くする>
書き出しで読者を掴め!(伊坂幸太郎)
「書きたい場面や「絵」があって、それらをつないでいくパターンが多いですね。」
伊坂さんの作品を読んでて思ってたことがドンピシャで当たってました。
「”誰かに届けたい”という思いがたぶん、一番大事なように思います。」
※再読+まとめがまだ半分ぐらいですがギブアップ。気が向いたら続きを書くかもしれません。
- 感想投稿日 : 2021年7月15日
- 読了日 : 2021年7月14日
- 本棚登録日 : 2021年7月14日
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