虚夢 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年5月13日発売)
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本棚登録 : 1854
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刑法39条に焦点を当て、統合失調症により多くの人を殺害した犯人を裁くことができない司法の問題点と、被害者家族の行き場のない怒りを描いた作品だった。
最愛の娘を犯人に殺され、家族を壊された主人公。事件をきっかけに精神に異常をきたした元妻。犯人と出会い、自分の心を埋めていく風俗嬢。どの登場人物も心に深い闇を持っており、闇から抜け出すためにもがいている。
ラストに近づくにつれ判明する驚きの事実と、心の傷から立ち直ろうともがく登場人物達に心奪われ、一気読みすること請け合いな作品である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月23日
読了日 : 2020年6月23日
本棚登録日 : 2020年6月20日

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