問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2015年2月27日発売)
3.60
  • (43)
  • (82)
  • (82)
  • (23)
  • (3)
本棚登録 : 1234
感想 : 91
5

どちらかというと非デザイナー向けの本という印象でした。
「できごと→デザイン論→それを使ったプロジェクト」という構成で
サクサク紹介している感じです。

情報が整理されていてとても読みやすいです。
読み手のことを考えて「デザイン」されているような感じでした。
難しいことばを使わず、ちょこちょこユーモアも挟んでおり一気に読める内容でした。

自身のプロダクトも多く紹介されていて佐藤オオキが世界に通用するすごい人であることがわかります。

個人的には、アップルの社内デザイナーはレベルが高くない。というような表現をしていたことがちょっとだけひっかかりました。

私はジョナサン・アイブも好きなのでちょっとだけ悲しいです。
第一線で活躍するデザイナーから見たらそう思うのかもしれません。
ただ、双方共にデザインにおいて「親しみ」を重視しているという共通点も見つかったのでそこは良かったところです。


以下ネタバレです。


■本をゆっくり二度見するのがおすすめ
反復することで、2回目以降で気づくこともたくさん出てくるとのことで
雑誌でも読むのにすごい時間をかけるそうです。


■蜂の脳は自分の役割によって脳の仕様自体が変化してしまうらしい
(人間もそうなのかもしれませんよね。後天的な才能も多いような気がします。
特にデザインの分野は「考え方」なので鍛えることができるかもしれません。)


■デザイナーで仕事をもらうならキャラ系がおすすめ
あの人はシンプルなのが得意、あの人はゴージャス系などキャラ立ちしていれば認知されやすい。

が、飽きや似たようなタッチの人が出てくるリスクがある。


■掛け合わせにもコツがある
AとBのハイブリットを最初から狙うと中途半端になるリスクが高くなるので、
1つに集中して、結果的に2度美味しいみたいなプロジェクトのほうが美味しい掛け合わせになる。

■モノにこだわりがない
(意外でした。youtubeとかでデザイナーの私物紹介とか見るの好きなんですけど、
佐藤オオキは特にないようだ。かっこいい。最近は違うのかな。ちょっと前webでみたらこだわってる感じあったけど。)


■リニューアルとリデザインの違い
そもそも、パクることに対する感覚は国によって違うようです。
リニューアルは同じ商品を改良すること
リデザインは目的やターゲットを変えたりすること。


■オリンピックについて
2014年の本なので今から準備。
とかの話ですが、
日本人が広場や大空間に集まって盛り上がることに馴染みがないとのこと。たしかに。
お祭りも神輿も町を歩くイベントだし、「移動」を目的として楽しんでいるんじゃないか説。
東京ディズニーランドのパレードを喜ぶ民族も特異らしい。
(ハロウィンとかサッカー時の渋谷とかそんな感じですよね。)


■友達のオカンに伝えれるか
デザインは「素人目線」を持ち続けられるかが大事で、いいアイディアを伝える力がいります。
(どっかのメディアでみたへべれけでもわかるデザインを!みたいなのに似てる。)


■日本企業の特徴
「見る人が見ればわかる」「いいものさえ作っていれば売れるはず」みたいな考え方が多いらしいです。

(最近知り合いの零細企業の社長が全く同じようなこと言ってて納得した。)

が、海外は逆で「売れるものがいいもの」くらいの感覚らしいです。ただ正しいかは謎です。


■「シェフ」じゃなくて「主婦」にもならないと

「高級食材をキッチリと調理する」のも大事ですが、
今は「冷蔵庫のあるもので献立を考える」ことに需要がある時代です。


■デザイナーに向いてる人
根気強さ、伝えるコミュニケーション能力、
そして例え話が上手か。らしいです。

(たしかにオオキさんの例えはめっちゃわかりやすい)




■1%のデメリットも伝える
デメリットを伝えた方が信頼をされることが多い。



■仕事は楽しいものか
仕事はつらい。が、後から振り返ると初めて「楽しみ」を感じれるものなのかもしれません。

(高校の部活に似てるなって思いました。私は帰宅部だったけど。)


■職人型ではなく発想型からブレークスルーが生まれる
仕様にそって100%を作る→職人型
ざっくりしたイメージから企画からデザインをつくる→発想型
日本企業は高度経済成長期のインハウスデザイナーが多数養成されたため職人方がほとんどです。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月20日
本棚登録日 : 2020年10月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする