防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ)

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  • 中央公論新社 (2010年1月10日発売)
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『防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備』(清谷信一、2010年、中更新著ラクレ)

本書は、我が国の自衛隊の兵器や装備について分析しつつ、兵器の調達コストが高い理由を明らかにしている。

「ガラパゴス化」しているといわれる自衛隊の装備の現状を陸・海・空に分けてそれぞれの装備の欠陥を指摘する。「ガラパゴス化」とは、外界から隔離されたガラパゴス諸島に生息する動物のように独特の進化を遂げた状態を指す比喩であるが、「防衛省の常識は世界の非常識」と筆者がいうほど防衛省・自衛隊はガラパゴス化しているという。

調達コストが高い理由は、大量発注ができないために1単位当たりのコストが高くなること、企業を複数存続させるために小分け発注せざるを得ないことなどが指摘されている。企業を複数存続させる理由は、防衛省・自衛隊の省員・隊員の天下り先確保のためではないのかという分析がなるほどと思わせる。


(2010年1月26日)
(2010年7月5日 大学院生)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会科学
感想投稿日 : 2010年1月26日
読了日 : 2010年7月5日
本棚登録日 : 2010年7月5日

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